離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
価値観が合わない、喧嘩ばかりの夫との生活は、もう疲れたから離婚したい。でも離婚が本当に正しい選択か分からない…
離婚後は生活していけるか不安だし、子供から父親を引き離すのも可哀想にも思えるし、長年暮らした夫に情もある。
そもそも離婚したからといって幸せになれるのだろうか…もう少し我慢すれば夫との関係も改善されるかもしれない…
離婚を決断するに際しては、迷いが出てくるのは当然でしょう。ここでは離婚に迷いがある方に、決断を誤らないためにも確認すべきことをテーマとして取り上げています。
主にはシングルマザーの離婚後の一般的な状況や、離婚が子供に与える影響、離婚をすべき・避けるべき方についてお伝えしています。
目次
スポンサーリンク
「離婚」という決断をすぐできる人は極稀でしょう。ほとんどの方が長期にわたり悩みぬいた上で決断します。その迷い続けている間に注意すべきなのが次のこと。
「離婚に迷いがある内は、離婚を考えている旨を相手の前で口に出さない」ということです。
主な理由は2点があります。
離婚を口に出したが、その後考えが変わり離婚をしたくないと撤回をした。しかし相手の方が離婚を決意し、後戻りができない…という事態になる恐れがあること。
迷いを持ったまま離婚協議を進めると、「離婚をするorしない」といった中途半端な状態となります。相手が離婚に同意したなら、次に財産分与などの離婚条件の取り決めを行う流れとなりますが、相手はそのことにシビアになります。
自分の希望する離婚条件を取り決めるためには、強い覚悟を持たないといけません。離婚に迷いがある中途半端な状態では、相手に押し切られて、こちらが不利な離婚条件となる恐れがあることです。
この2つのことから、離婚に迷いがある内に離婚してしまうと、その後は必ず後悔することになります。
自分の人生は自分でしか責任が持てません。迷いなく離婚すると決断し、強い覚悟を持ってから、相手に離婚を切り出すことです。
私も夫に離婚してほしいと伝えたときは、迷いは一切ありませんでしたので、自分が望む離婚を成立させることに集中できました。
相手の方から離婚を請求されて、受け入れるかどうかを迷う場合もあるでしょう。
相手から離婚請求された場合の注意点は、別居をしないことです。
離婚を迷っている状態は、離婚を回避させて相手との関係を修復させたい考えもあるということ。ところが相手から別居を求められ、またはこちらから別居してしまえば、相手と関係修復できなくなる可能性が非常に高いです。
お互いが別々に暮らすと、関係を修復させるためには欠かせない、コミュニケーションをとる機会が激減するからです。
統計上でも別居した夫婦の多くはそのまま離婚しています。(参考:厚生労働省「別居期間別にみた離婚より」)
私も別居したときは夫との修復を望んでいましたが、結局は離婚となりました。離婚に迷いがある内は別居をしないことです。
離婚をしたいと考えている相手と、実際に離婚した場合に得られる主なメリットは次の通りです。
これらのなかで特にメリットがあるのは【精神的苦痛からの解放】だと思います。
婚姻中は相手からのモラハラや不倫問題などのトラブルで、いつも苦痛な日々を過ごしてきた。これが離婚することによって、やっと解放され平穏な日々を取りもどせるのです。
※ 離婚のメリットについての詳細は「離婚のメリットとデメリットを知る事が失敗のない離婚に繋がります」で取り上げています。
離婚は精神的苦痛から解放されますが、経済的には苦しくなるのが大半です。
夫婦に子供が生まれれば、基本的に妻の方が子育てを主に担います。そのため、今まで勤めていた職場を退職して専業主婦、または勤めてもパートというかたちをとることが多いです。
当然ながら、離婚後は母親が収入を得ないと生活できませんので、仕事を見つけることになります。
しかし仕事にブランクがあるため、就職先を見つけるのも簡単ではありません。
高収入の仕事に就けるのは、よほど需要のある資格や特殊な能力がない限り困難です。
子供が幼い場合は、時間の自由がきかない事態が多くあります。よって正社員で職に就くのは難しく、仕方なくパート社員を選ぶケースも多いでしょう。
実際の統計を見れば、シングルマザーの就業形態はパート社員などの非正規雇用が多い実態が分かります。
厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査(平成28年度)によると、就労母子家庭の就労形態は次の通りです。
【就労形態】
正規の職員・従業員・・・44.2%
パート・アルバイト・・・43.8%
こういった背景から母子手当などを含めても、生活するのがギリギリの収入しか入ってこない家庭が多いのが実情です
収入の具体的なデータは次の通りです。
【収入金額】
平均年収・・・243万円
平均就労年収・・・200万円
平均年収とは、平均就労年収プラス母子手当などを含めた金額です。
生活必需品の必要最小限のものを購入するには、2人世帯だと年間180万円となります。180万円以下の収入しかない貧困層と言われる母子家庭が増え続けており、社会問題化されています。
※ シングルマザーの平均月収や生活費の内訳などについては「離婚後の生活費を安定的に得る為に押さえておくべき3つのこと」で取り上げています。
ここまでお伝えしたことを考慮して、離婚して早々に貧困で苦しい思いをしないためにも、次の状況にあるのかを確認してください。
✔ 働いてないが、それ相応の期間を暮らせる預貯金や資産、または慰謝料や財産分与の分配がある。
✔ 働いていないが、それ相応の生活が確保できる収入が得られる就職先が決まっている。
✔ 離婚後の住居を確保している
もしかすると児童扶養手当や夫からの養育費などがあれば、何とかなる、と考えている方もいるかもしれません。
しかし、児童扶養手当は離婚後に実家に戻るなら、受け取る養育費が多ければ支給額が下がります。また養育費は確実に入ってくるものではなく、むしろ受け取れているのは2割ほどと少数です。
相手によって変わるものはなるべく計算に入れてはいけません。自分を中心とした確かなところで、離婚後の生活に困窮しないかをしっかりと考えましょう。
※ 専業主婦と離婚に関する詳細は「専業主婦が離婚して貧困で悲惨な状況に陥らない為にCHECKすべき6つこと」で取り上げています。
子供にとって離婚は「家庭の崩壊」を意味します。具体的には、子と父や母との親子関係が引き裂かれることです。
子供がこの環境におかれることで、様々な悪影響を及ぼす恐れがあります。その主な原因と考えられるのは次の2つです。
「子供と一緒に暮らす親は家計を支えるため、長時間の労働を強いられ、子供とのコミュニケーションが少なくなる」
この2つのことにより、子供は次のような悪い事態になる恐れがあります。
両親の離婚によって、子供が悪い事態を引き起こすのは理由があります。
子供は両親の離婚後に置かれた環境から、「僕は愛されていない」という、孤独感や悲しみ、やるせなさなどを感じます。それが精神的なトラブルを抱える結果をもたらすのです。
もちろん両親が離婚した子供がすべて、先ほどお伝えしたような悪影響が出るわけではありません。健全に育つ子供もたくさんいます。
両親の離婚をうまく消化できるか否かはその子によりますが、次のことだけはしっかり認識して心に刻むべきです。
離婚は子供に悪影響を及ぼし、その子の人生を狂わせているケースがある事実。もし離婚の決断をするなら、どんなに困難でも「子供に寂しい思いは絶対にさせない!!」と強い決意をもつ。
なお私が離婚を決意したとき、【子供が1番】という優先順位を持つ。加えて、どんなに困難なときでも、子供には一杯の愛情を注ぐことを自分の絶対使命としました。そんな私を見てか子供は健全に育ってくれています。
※ 離婚が子供に及ぼす影響についての詳細は「離婚が子供に与える影響【子供の心理に着目】必ずご確認ください」で取り上げています。
離婚に迷いをもつ方に対して、1つの判断基準となるものをお伝えします。
離婚すべきなのは、相手から極度のDVやモラハラを受けている場合です。
極度のDVやモラハラを受けている方のなかには、その内に相手は自分の過ちに気づくかもと考え、様子を見る方もいます。
しかし、自分のパートナーを深く傷つけるような人間が、改心するなんてことは望めないでしょう。自分の身体や心が深く傷つけられない内に早く離婚すべきです。
なお、DVと離婚についての詳細は「暴力夫と離婚を成立させ苦痛の日々から解放する為の全手順」
モラハラと離婚についての詳細は「モラハラ夫の特徴と離婚する方法【更生の可能性、慰謝料も解説】」で取り上げています。
相手が次に挙げる状態であれば、夫婦関係の修復の可能性は十分ある為、離婚を思い止まる方が良いでしょう。
これらなかの特筆すると「DVを受けたが一度だけ、または注意して以降は止まった」「モラハラを受けたが軽度である」についてです。
相手はパートナーにDVを振るったことに対して、後悔や反省をした為DVが止まったと考えられます。つまり、パートナーを大事に思っている現れと捉えることができます。
モラハラの度合いが軽度からひどくなっているなら別ですが、ずっと軽度であれば許容範囲ではないでしょうか。
既にお伝えした通り、シングルマザーの経済状況は決して余裕はありません。加えて、離婚は子供へ悪影響を及ぼす恐れもあります。
これらを考えれば、相手に問題があり過ぎる場合は別として、離婚を回避して夫婦関係を修復させるのが最善です。
先ほどの「離婚を思い止まる方が良いケース」に当てはまる方は特に言えます。
とはいえ、現状は離婚を考えるほど夫婦の関係は冷え切っています。この状態が続けば、いずれは離婚となる可能性が高いです。夫婦仲が悪い状態を、子供がずっと目にするのは決してよくありません。
夫婦関係が悪い状態が続くのはマイナスしかないため、夫婦関係の修復を今すぐにでも試みるべきです。
夫婦関係の修復を試みた結果、関係の修復できたのなら何よりです。反対に、修復の余地がないと判断したのなら、その先は理想とする離婚を目指せばいいのです。
このようなステップを踏むことで、「あのときこうすればよかった…」などの後悔はしません。
離婚に迷いがある方に対して、決断を誤らないためにも確認すべきことをテーマとして取り上げました。
最後に箇条書きにてまとめます。
✓ 離婚することに迷いがある内は、離婚を考えていることを相手の前で口に出さない
✓ シングルマザーの平均年収は243万円
✓ 離婚後の家計の見通しは、相手によって変わるものはなるべく計算には入れず、自分を中心に確かなところで立てること。
✓ 離婚の決断をするならどんなに困難でも、子供に寂しい思いは絶対にさせない! という強く心に刻むこと。
✓ 基本的には夫婦関係の修復を試みること。このステップを踏むことで「あのときこうしていれば…」といった後悔が残らずにすむ。
それでは最後までご覧を頂きありがとうございました。まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
離婚を考える位に悪くなった夫婦関係を変えるには、相手次第だと思いがちですが、実際はそうではありません。あなた自身の行動次第で夫や妻の考えを変えることができます。
そのことについて詳しく取り上げています。夫婦関係の修復の仕方で悩んでいる方は下のオレンジ色のボタンよりご覧ください。↓
関連記事
モラハラ夫と離婚すべきか迷いがあるなら、ここでお伝えしている内容も押さえるべきです。
≫ モラハラ夫の特徴と離婚する方法【更生の可能性、慰謝料も解説】
スポンサーリンク
妻に浮気を許してもらうには?適切な行動を解説【償い・反省・誠意】
旦那の浮気を許すことを考え中なら失敗しない為に知っておくべき事
夫の浮気から夫婦再構築させる為に押さえるべき4つのポイント
旦那が嫌いで離婚したい!それを成功させる為の全手順をお教えします
【突然妻から離婚したいと言われたら】今すぐ確認すべき重大ポイントを解説
【妻が出て行った】離婚したくない方が別居中にすべきことを徹底解説
妻からの離婚請求を回避し、夫婦関係を修復させる為の確かな方法
未払い養育費を請求して全額回収!元夫の逃げ得を防ぐ手段を解説
養育費を継続的かつ確実に払わせる方法を徹底解説!
離婚のメリットとデメリットを徹底解説!間違いのない決断を導く