離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
夫または妻から、離婚したいとの申し出をされてしまった。
確かに、最近は夫婦仲があまり良くなかったけど、それでも一瞬たりとも離婚は考えたことなんてなかった。
突然に離婚危機が生じたが、何としてでも離婚危機を回避したい、家族を失いたくない・・・。
でも頭が真っ白で何をどうすればいいか分からず、死にたいほど悩んでいる。
このようなときの対応を1つ間違えれば、取り返しのつかない事態となる恐れがあります。
今回は離婚危機を迎えたとき、どのようにすれば離婚危機を乗り越えられ、そして夫婦間が修復できるかを取り上げます。
目次
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いきなり離婚危機が生じれば、困惑してしまうのは当然です。
一方、離婚を求める側の配偶者も同様に、冷静な心境ではなく感情や緊張感が高まっています。
そんな二人がお互いの感情をストレートにぶつけ合うと、適切な対応は到底できません。
夫婦関係を修復はおろか、ますます離婚に向けてアクセルを踏むことになります。
よって、何よりも大事なのは冷静さを保つこと、配偶者の言葉に我を忘れないことです。
もし、感情的な言動を取ってしまったと感じたなら、スグにその場から離れて、深呼吸などをして落ち着きを取り戻してください。
これが離婚危機を回避させる為の基本的な対応です。
加えて、なぜ離婚危機に陥っているのかについて、情報収集を徹底することが必要となります。
このことは後に詳しく取り上げます。
離婚危機に陥ることになった原因に身に覚えはありますか?
身に覚えの内容によっては、どれだけこちらが頑張ろうとも、相手の離婚の意思を揺るがすのが困難となります。
そして裁判となれば、離婚を回避できない場合も。
民法により一定の理由があるときには、裁判の判決により離婚できるとされているからです。
この理由を「法定離婚事由」といいます。
民法770条1項で定められている「法定離婚事由」は次の通りです。
これらを分かり易く簡単に言うと、次のようなことです。
2⇒理由なく一緒に暮らさない、生活費を一切渡さない
3⇒三年以上の失踪
4⇒ひどい精神病
5⇒DV・・・など
もし、このようなことが自身にある場合、裁判になれば離婚を避けられない可能性が十分にあります。
さっそく自身に、このような過ちがなかったかを思い返してみることです。
また1~4の事由に該当しなくても、長期に渡る別居を経た上での離婚裁判だとしたら、
婚姻関係は既に破綻状態である判断されて(5に該当)、最終的には離婚判決が出ることも多くあります。
まとめると、自身が法定離婚事由に該当することが無ければ、裁判になっても基本的には離婚の判決は出ません。
反対に該当しているなら、裁判にならないように相手を説得することが必要となります。
※法定離婚事由についての詳細は「離婚裁判で離婚判決を得る為に必要な5つの離婚原因を知っておこう」で取り上げています。
法定離婚事由に該当しなければ、離婚を断り続ければ問題がないと思うかもしれません。
しかし、まだ離婚が成立されてしまう可能性があるのです。
それは離婚したい相手が、無断で離婚届を作成して提出してしまうことです。
もし役所がこのような離婚届を受理した場合、非常に困ったことになります。
受理されれば戸籍に離婚した内容が書き込まれ、法律上の夫婦は解消されます。
いくら勝手に提出された離婚届とは言えども、これを無効にするには裁判所の手続きが必要です。
これには多くの労力や時間、お金を費やさなければなりません。
このような離婚を強行される事態を防ぐには、離婚届の「不受理申出制度」を利用しましょう。
本籍地などの役所の窓口に「不受理申出書」を提出すると、相手が知らぬ間に離婚届を提出したとしても受理されません。
用紙は役所にて無料で入手できますので、無断で離婚届を提出される恐れが少しでもあるなら、必ず不受理申出書を提出するべきです。
※不受理申出制度の詳細は「「離婚届不受理申出」で相手の一方的な離婚届の提出を阻止!」で取り上げています。
離婚を回避させようと次のような言動をとることは、離婚危機をさらに高めているだけの行為ですので、絶対に避けましょう。
この4つは離婚回避に良かれと思い、よくやりがちですが逆効果。
それでは個別に見ていきましょう。
相手がこちらに離婚を求めたとき、
「もう夫婦間の修復は無理だから離婚しよう」
「離婚なんて絶対しないから」
というような押し問答が、繰り広げられるケースが多くあります。
このような場合、相手から「お互いがお互いを冷静に見つめ直す為に、一度別々に暮らそう」と別居の提言してくるケースがあります。
提言された側は「相手が1人になり冷静に家族のことを考えてくれれば、離婚を思い止まるかもしれない」と思い、実際に別居をすることが多いです。
ところが別居してしまうと、離婚する確率が極めて高まります。
なぜなら、別々に暮らすことで、夫婦関係を修復する為になくてはならない、話し合いをする機会がめっきり減るからです。
私自身も含め実際に別居した夫婦の多くは、最終的にはそのまま離婚という結末を迎えています。
離婚危機の回避を望むなら、別居は何としてでもやめるべきです。
どれだけ身勝手かつ、離婚の原因が明確に相手側にあるとしても、離婚を回避したいのなら、相手のことを一方的に否定してはいけません。
たとえば、不倫した側から離婚したいと言われても、
「不倫して私を深く傷つけたあなたが、なぜそんな勝手なことを言えるの!?離婚は絶対にありえないから!!」
このようにシャットアウトするよりも「あなたが不倫したのも、私があなたのことを疎かにしていたからだと思う」
このように、むしろ自身にも非があるような姿勢を見せることで、相手に自責の念を感じさせることができます。
その結果、相手が自身の身勝手さを反省し、離婚を考え直すこともあります。
伝え方ひとつで、相手の考えは大きく変わることがよくあります。
従って「相手にこう言えば、どう思うか?」を意識して行動すると良いでしょう。
相手に離婚を思い止めさせる為に、自分や相手側の両親に相談し、その両親から離婚を考え直すように説得してもらうのは逆効果です。
そのようなことをしても、相手の反感を買うだけ。
また相手の両親は基本的に自身の子供の味方です。
よって、逆にそっちの方こそ悪いから離婚は当然である、と相手側を擁護する恐れもあります。
ただし、自身の両親のことが離婚の原因にあるのならば、両親に相談して対処を考えることは必要です。
離婚による子供の影響を考えれば、離婚を避けたいと思うのは当然です。
そこで、次のような理由で離婚をしたくないと相手に伝える方は多くいます。
このように子供を理由にしても、相手の離婚したい気持ちは残念ながら変わりません。
仮に、子供を理由に離婚回避ができても、別居あるいは家庭内別居となる可能性が大です。
子供がそういった異様な家庭環境で過ごすことは、人格形成の上で悪影響を受けることは間違いありません。
結局、相手の離婚したい気持ちを変えなければ、根本的な問題解決とはならないのです。
大抵は誰でも相手から離婚を求められたら、その理由を知りたいでしょう。
理由なき離婚はありえないからです。
相手が不倫相手に夢中だと既に分かっているなど、その理由を把握することが簡単な場合もあります。
不倫という理由がはっきりしている時は、その証拠をしっかり掴んでおきましょう。
なぜなら、離婚原因を作った「有責配偶者」からの離婚請求は、原則的に認められない為です。
有責配偶者なのに裁判で離婚を求めることは稀ですが、その証拠があれば離婚を回避させることができます。
話を戻しますが、相手の離婚したい理由が分かる場合もあれば、全く見当がつないことも多くあります。
相手の離婚したい理由が全く見当をつかない、またはハッキリと分からないときは、その理由を調べるしかありません。
そこで直接相手に理由を聞いてみることが当然に考えられます。
しかし、離婚したい理由はそっちのけで、受け入れ難い主張ばかりを相手がしてくる可能性が大です。
受け入れ難い主張とは次の通り。
このように傷つく暴言を吐かれる可能性が大いにあります。
なぜなら早く「もう離婚を回避させるのは無理だ・・・」と諦めさせ、離婚に応じさせたいからです。
加えて、相手が素直に離婚したい理由を伝えることで、
こちらが「指摘された点を改善するから、離婚を考え直してくれ」等と言われるのを避けたいとも思っています。
だから攻撃的な言動ばかりしてきます。
しかし、ここで修復を諦めてしまえばお終いですので、ここは我慢して冷静に受け止める他ありません。
とにかく最初は攻撃的な言葉しか投げかけられませんが、何度も話し合いを持つことで、相手の離婚したい理由が見えてきます。
たとえば「なぜ俺と一緒にいると息が詰まるか教えてほしい」と聞くことで、相手から具合的な理由が聞き出せるかもしれません。
それが離婚したい理由の一部だったりするのです。
このように相手がこちらに不満に感じいていることを、どんどん聞き出すことが必要です。
不満を聞き出すことで、こちらにある非がある言動を改めることできます。
その姿を見た相手が「今の夫(妻)なら婚姻生活を続けることができるかもしれない」と思わすことができるのです。
離婚危機に立たされている方の多くは、とにかく相手の離婚したい理由のリサーチが不十分です。
それをやらずに占いに頼る方もいますが、肝心なことから逃げていても効果はありません。
兎にも角にも相手の離婚したい理由が把握できないと、夫婦の復縁はおろか、離婚危機を脱出することは無理なのです。
離婚したい理由を探るなかで、相手の言動で憤慨したり、悲しさでやるせなくなることもあるでしょう。
しかし冒頭でもお伝えした通り、感情的にならず冷静に受け入れてください。
反発する相手に対して、根気よく話し合いと謝罪を続けることで、徐々に相手の態度が軟化してきます。
その時まで諦めずに相手と話し合いを続けることです。
相手が離婚を求めている理由を確認しようにも、話し合いに全く応じない。
あるいは別居中で、こちらからの連絡の一切を無視する、といったケースがあります。
そんな場合は家庭裁判所に間に入ってもらい、話合いの機会を設定してもらえる「夫婦円満調停」を利用するのも、離婚危機を脱出する為の1つの方法です。
調停手続きは、離婚を目的だけに利用すると思われがちですが、夫婦間の修復目的にも利用できます。
離婚危機を脱出し、夫婦関係の修復を目的とする円満調停ですが、どのようにして夫婦関係を修復するのかをお伝えします。
円満調停は家庭裁判所内の調停室で行われます
中立的な立場である50~60代の男女1名ずつの「調停委員」と呼ばれる人を介して、夫婦関係の修復のための話合いをします。
調停委員は最初に夫婦間が悪化した原因を、夫、妻の双方から聞きとります。
聞き取りした内容を元に、その原因を解決するにはどうすればいいかを、調停委員の助言も考慮して夫婦で模索していきます。
夫婦間が悪化した原因を解消する方法としては、もう一度円満な婚姻生活をおくる為には何をすべきか。
そのことについて夫婦の間での約束事を取り決めるのです。
たとえば「姑に子供の教育方針について口出しをさせないこと」「過度な飲酒は慎むこと」といったことです。
以上のように、夫婦間を悪化させた原因を突き止め、それを解決させる為の対策を講じることで、
離婚危機を解決させ、円満な婚姻生活に戻れるようにするのが、通常の円満調停の流れです。
円満調停を申し立てたものの、相手が円満調停することを拒否した、または調停が不成立となった。
この事態となると夫婦関係の修復ができる可能性が極めて低くなります。
ですので、円満調停は最後の手段です。
やむを得ない事情が無い限り、最初は必ず夫婦で話し合いをすべきです。
調停委員を介して伝えるより、直接自分で伝える方が自身の考え等が相手に伝わり易いはず。
そもそも、ろくに話合いをせずに、いきなり調停をしても相手の反発を買うので逆効果となります。
何度も話し合いを持ちかけたが応じない、または話し合いを重ねてきたが問題解決に至らなかった。
この状況になってから円満調停を申し立てることです。
※円満調停の詳細は「円満調停は夫婦関係修復の最終手段」で取り上げています。(私が別に運営するブログに移ります)
今回は離婚危機を迎えたとき、どのようにすれば離婚危機を乗り越えられ、そして夫婦間が修復できるかをお伝えしました。
色々お伝えしましたが、離婚危機を回避させ、夫婦間を修復させるには、やはり夫婦で話し合いを重ねることが最も大事です。
話し合いなしでは、相手の離婚したい理由が分からないので、離婚回避させる為の対策や行動を何も起こせません。
離婚したい相手に対し、話し合いを重ねるのはそう簡単ではありませんが、諦めれば離婚になってしまいます。
諦めずに話し合いを続けて頂ければと思います。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
離婚危機を迎えるほどに悪くなった夫婦関係を変えるには、相手次第だと思いがちですが実際はそうではありません。
自分自身の行動次第で夫や妻の考えを変えることができます。
そのことについて詳しく取り上げています。
夫婦関係の修復の仕方で悩んでいる方は下のオレンジ色のボタンよりご覧ください。↓
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