離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
旦那のすべての言動がウザいし、気持ち悪いし、嫌でたまらない。ずっと耐えてきたが、もうこれ以上一緒にいると、おかしくなりそうだから離婚したい!!
このように旦那が嫌いすぎるという理由で、離婚を決意する方がいます。しかし「嫌い」の感情だけで離婚へ動くと、取り返しのつかない失敗をして、後々に大きな後悔に繋がる可能性があります。
ここでは旦那が嫌いで離婚を考えている方に、間違いのない適切な進め方をお伝えします。
「あぁ…あのとき旦那に対する嫌悪感だけで動かず冷静に判断と行動していれば、こんな事態にならなかったのに…」という大きな後悔をしないためには、欠かせない内容となっています。
目次
スポンサーリンク
最初に、世の女性が旦那を嫌いになったきっかけを見てみましょう。婚活・恋活など中心とする男女の出会いメディアe-venzを運営するノマドマーケティング株式会社が行ったアンケート結果をご紹介。
全国の既婚女性30歳から59歳の1,000名を対象に旦那が嫌いかについて質問しました。1,000名中210名が旦那を嫌いとのこと。そのきっかけは次の通りです。
・ 年々偉そうになってる(奈良県 女性 49歳)
・ 私が病気になったときの対応(福岡県 女性 46歳)
・ いつも自分は悪くないという主張(新潟県 女性 54歳)
・ 不倫(埼玉県 女性 34歳)
・ 批判的なことばかり言う(千葉県 女性 59歳)
・ 自分本位だから。(埼玉県 女性 50歳)
・ 出産時の態度(京都府 女性 48歳)
・ マザコン(兵庫県 女性 46歳)
・ 臭い(神奈川県 女性 48歳)
・ どんな時でも自分が一番大事で私が病気や手術でつらい時でも気を使わないといけなかったとき。(愛知県 女性 47歳)
・ 結婚してから太ってかっこ悪くなったから(東京都 女性 45歳)
・ 子供が生まれて育児で大変だった時あまり支えてくれなかったこと(東京都 女性 53歳)
旦那を嫌いになったきっかけで、特に多かったのは次の内容です。
今この記事を見ているあなたも、おそらくアンケート結果と同じような内容で、旦那が嫌いになり離婚したくいのではないでしょうか。ただし冒頭でもお伝えした通り、嫌いという感情だけで動けば失敗しますよ。適切な離婚の進め方をこの後お伝えします。
気持ちはよく分かりますが、その感情のまま離婚を決断してはいけません。
その前に熟慮すべきなのは離婚後の経済状況のこと。離婚してシングルマザーとなる多くが、離婚前の生活環境から大きく変化するのは収入です。
当然ながら多くの方は、そのことを頭では分かっています。ですが「母子手当と旦那からの養育費があれば何とかなるでしょ」と楽観的に考えている方が少なくはありません。
本当にそうでしょうか? 現実はそうではなくて経済的に苦しい母子家庭が多く、シングルマザーの貧困化は社会問題となっています。
貧困に陥らないためにも、離婚を考えたら最初にするべきことは、離婚後の家計をシミュレーションです。
シミュレーションするには「家計の流れ」を分かっている必要があります。
しかし継続的にしっかりと家計簿をつけている家庭は少ないのが現状。収支の流れを把握や分析をせずに、家計をシミュレーションすることは困難です。もし、家計簿をつけていないなら今すぐつけましょう。
離婚後の生活をシミュレーションする上で、離婚に際して旦那に請求できるお金をしっかり確認する必要があります。
何もシミュレーションの為だけではなく、離婚後の生活を安定させる上に大切なお金ですよ。
そのお金が次の3つです。(各文字に詳細を解説したリンクを張っています)
これらを請求するには、当然ながら旦那と話し合いを行い、同意を得る必要があります。
旦那が嫌いだから話し合いをしたくない、という理由でこれらの権利を請求しない方もいます。しかし、それは自ら貧困へと進み、子供に不自由な思いをさせてしまう行為ですので、しっかりと請求をすべきです。
離婚で母子家庭(父子家庭)になった家庭には、公的な支援を受けることができます。その制度も離婚後の生活をシミュレーションする上で押さえてきましょう。
このなかでも特に重要なのは「児童扶養手当」であり、子供が1人の場合は最大で43,070円支給されます。(令和4年4月時点)
しっかりと受給できるように事前の確認が必要です。
※ 児童扶養手当の詳細は「児童扶養手当の申請で絶対に押さえるべき事と養育費との関連性」で取り上げています。
ここまでお伝えしたことを押さえたなら、実際に離婚後の家計をシュミレーションしてみましょう。シミュレーションの仕方ですが、エクセルなどで離婚後から子供が独り立ちするまでのキャッシュフロー表を作成して下さい。
給料や養育費、母子手当(児童扶養手当)などの一年間での収入額の予想。それから生活費や子供の養育・教育費などの年間の出費額の予想をしてみます。
これらの推移を【子供の年齢ごと】に表にします。
子供は成長するにつれて入用となるお金が増加するものです。主に進学と共に増えていきます。そのためにもある程度の経済状況の把握や、計画性ある蓄えをするために年齢毎に作成することが必要。
例を挙げてみます。
■ 子供が3歳のときのシミュレーション
【年間収入】
給料所得:120万円
養育費:39万円
児童扶養手当:33万円
児童手当:18万円
合計:210万円
【年間の支出】
教育費:22万円
基本生活費:170万円
合計:192万円
例のような内容などでキャッシュフロー表を作ると、ある程度のシミュレーションが可能となります。自分では作れない、もっとより現実的なシミュレーションをしたい方は、フイナンシャルプランナーに相談してみるといいでしょう。
シミュレーションの結果が「収入>支出」という状態だと問題ありません。先ほどの例であれば年間収入が210万円で、年間支出が192万円なので家計はやりくりできます。
逆の結果だと、離婚後に遅かれ早かれ「家計の破綻状態」が訪れます。でも現実的には「収入<支出」の方がほとんどです。
この状況の方は事前にそうならないために、次のような対策をしてください。
年間でどれくらい足らないのかを見て、次は月単位、日単位で計算してみます。
具体的な不足額が分かれば、現在1日当たり4時間ほどのパートをしている女性なら、あと何時間働けば不足分を補えるかは明快です。
収入が大きく足らず、労働時間をある程度上げたとしても、不足分を賄えない方もいるでしょう。その場合は離婚を先延ばし、その間は収入アップさせるための行動が必要です。
例えば、資格を取得して時給のアップや正社員を目指します。そうすればいつかは、離婚してもやっていける経済状況となるでしょう。
離婚後の経済状況のシミュレーションをするのが、離婚を考えたかたが最初にやるべきことです。そうすると「離婚してもやっていけるか否か」や「ぼんやりとしていた離婚後の生活に見通しを立てる」ことができるのです。
※ 離婚後の生活設計に関しては「専業主婦が離婚しても安心して暮らしていける方法」の記事でも詳細に取り上げています。
離婚後の経済状況に見通しが立つのなら、次に考えて頂きたいのが本当に離婚しても後悔をしないかについてです。
旦那にこのような言動をされ続けると、確かに離婚したいと思うのは当然です。
しかし、「旦那が嫌い・ウザい・気持ち悪い」などという感情だけで、究極の選択である離婚を選ぶのは避けるべき。
なぜなら、本当に離婚してもいいのか? についての【心の整理】がしっかりできていないからです。
「自分自身で本当に離婚してもいいのか?」をしっかり問わず、「嫌い」という感情だけで離婚するからこそ後悔が残るのです。後になって大きな後悔しないためには、心の整理をしっかりした上で離婚を決断する必要があります。
離婚すべきか否かの「心の整理」の仕方についてお伝えします。
心の整理がつくとは「離婚という選択が仕方のないこと」と納得できたとき。
離婚の選択が仕方ないと思えるには、旦那の嫌いな部分を改めてもらおうと努力したが、それでも駄目だったと過程が必要です。
それでは、その過程を具体的にお伝えします。まずは夫婦お互いに嫌だと思っているところを挙げていきます。
相手に嫌悪感を与えるような問題点は、何も旦那側だけにある訳ではなく、妻側にも多かれ少なかれあるものです。妻側だけが一方的に嫌だと思っている部分を伝えても旦那は反発するだけです。
旦那から指摘された点について、妻自身も身に覚えがあるなら、素直に受け入れなければなりません。そしてお互いに挙げた点が改善できなければ、離婚をしようと提案します。
お互いに指摘された嫌なところが改善できれば、夫婦間は修復し離婚は回避されます。
一方、少しも改善が見られない場合は「夫婦間の修復は不可能」、「今後も婚姻生活は上手く行かない」ことを表しています。この結果になると「離婚は仕方ない」と分かり、心の整理がつくのです。
旦那の嫌なところは直らなかったため、離婚へ心の整理がついたなら、次にやるべきことは何でしょうか?
確かに、それらの知識なしに離婚の取り決めをするのは危険ですが、そればかりを専念するのは避けるべきです。
離婚条件を考えるよりも優先すべきことがあります。それは旦那から【正式に離婚の同意を得る】ことです。
いくら夫婦のお互いの嫌なところを挙げて、それの改善ができなければ離婚しようと言っていても、実際は断られることも多いです。
離婚条件に本腰を入れるのは、旦那から正式に離婚同意を得たあとになります。
旦那の離婚同意ありきで、離婚条件についての勉強や対策に多くの時間を費やしてきたのに、その離婚の同意が得られない。この状況に置かれると「これほどまでに努力してきたのに離婚できないなんて…」とメンタル面に大きなダメージを受けます。
最悪だと、そこで燃え尽き症候群的みたいになり、離婚そのものを諦めてしまう方も実際にいるのです。
単に何となく旦那が嫌いだという理由でも、相手が同意さえすれば離婚は可能です。一方、相手が拒み続ける場合は、最終的に裁判上で離婚を求めることになります。
しかし単に夫が嫌いという理由だけでは、離婚の判決を得るのは難しいです。裁判上で離婚が認められるには次の「法定離婚事由」に該当する必要があります。
これらの詳細な解説は「あなたの離婚したい理由は裁判でも通用し、慰謝料もとれますか?」で取り上げています。
旦那がこのような「法定離婚事由」に当てはまる言動がなければ、離婚の同意を得るしかありません。
一方、法定離婚事由に当てはまるのであれば、旦那に離婚に応じさせる説得材料になります。
改善できなければ離婚しようと約束したのにもかかわらず、絶対に離婚しないと拒む旦那から、離婚同意を得るのは簡単ではありません。この場合に必要になるのが、以下のように諦めずに離婚を求め続けることです。
まずは、離婚を拒む旦那を、いかにしたら離婚に応じてもらえるかを考え、それを実際に行動する。
⇩
行動するも断れ、またもう1度いかにしたら離婚に応じてもらえるかを考え、再び行動する。
⇩
またまた断られるが、それでも断念せずに考える…以下ループ。
これを続けることで、旦那には離婚を拒む理由がなくなってきますし、根負けするときが必ず訪れます。そうなれば、やっと旦那から離婚の同意を得られます。
このことの詳細は「離婚に応じない夫からは、このようにして離婚の同意をもらいましょう」で取り上げています。
離婚を拒否し続けた旦那から、離婚の同意をなんとか得ることができたとします。そこで、もしかすると次のような考えを持つかもしれませんが絶対にNGです。
「旦那の気が変わらないうちに、離婚届を先に出してしまおう。養育費や財産分与などの離婚条件の話し合いは後でやればいいか。」
離婚条件をとりまとめていないのに、先に離婚届を提出し、離婚を成立させることは絶対にしてはいけません。
多くの場合、子供の親権は母親が持つので、父親は養育費を払うことになります。また婚姻中の預貯金は旦那の名義にしていることが多く、旦那から妻へ財産分与する流れが多いです。
旦那とすれば、極力お金は妻に払いたくないと思っています。慰謝料の支払いも発生するなら尚更です。
よって離婚を成立後に、養育費などの離婚条件の話し合いをしようとしても、旦那がすんなりと対応しないことが頻繁にあります。
例えば、「最近、休日出勤するほど忙しくてまったく時間がとれない」などの理由をつけて話し合いを断るのです。
旦那とコンタクトが取れるならまだマシで、一段とひどいのが次のようなケースです。
旦那が終始逃げまわる状態になれば、もはや話し合いをするのは困難となり、時間のかかる調停を申し立てるしかありません。最悪の場合はその離婚調停さえ応じないこともあり、そうなれば更に多くの時間と膨大な費用が掛かる裁判をするしかなくなります。
このように、離婚条件を旦那と決めたくても無視をされるリスクが高い以上、離婚届を先に提出するのは絶対にNGです。
最後に、離婚届を出す間違いのないタイミングについてお伝えします。
離婚届を出すタイミングは離婚条件をとりまとめ、それを書面に残したあとに提出するのが鉄則です。
離婚条件を書面化する際は「離婚公正証書」の形式にすることを強くお勧めします。
離婚公正証書にする最大の利点は【強制執行】が可能となるところです。
強制執行という言葉は耳慣れないと思うので、簡単な例を挙げて説明します。
離婚時に取り決めた養育費などの金銭を旦那が払わなかったとします。そこで離婚公正証書があれば、裁判の手続きを経ずに旦那の財産を差し押さえ、そこから不払い分を回収できるのです。これが強制執行力です。
養育費や慰謝料などの不払い対策として、離婚公正証書は最適ですのでできる限り作成しましょう。最後にもう一度まとめると、
① 離婚条件を話し合いで決める
⇩
② それを離婚公正証書などの書面に残す
⇩
③ 最後に離婚届の提出
この順序は必ず守るようにしましょう。
※ 話し合うべき離婚条件や離婚公正証書の詳細は「離婚協議書を公正証書にすることで効力は絶大となります」で取り上げています。
今回は旦那が嫌いで離婚を考えているに、失敗しない間違いのない離婚の進め方をお伝えしました。
「旦那が嫌いだから離婚する」という短絡的な離婚では、失敗して大きな後悔に繋がる可能性が高いです。後悔したいないためにも、ここでお伝えしたことや順序を踏まえた上で、離婚を進めるのが大事です。
最後までご覧頂きましてありがとうございました。まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
あなたは離婚をしたいが、
このような理由で離婚を諦めていませんか?
私自身も離婚に関しての争いは難航し、途方に暮れ絶望していました。しかし、ある情報がきっかけで理想的な離婚をすることができました。
もし、あなたが離婚のことで悩んでいるなら、このことは解決に繋がるヒントになるかもしれません。詳しくは下のオレンジ色のボタンよりご覧ください。(離婚したい女性向けです)↓
スポンサーリンク
妻に浮気を許してもらうには?適切な行動を解説【償い・反省・誠意】
旦那の浮気を許すことを考え中なら失敗しない為に知っておくべき事
夫の浮気から夫婦再構築させる為に押さえるべき4つのポイント
旦那が嫌いで離婚したい!それを成功させる為の全手順をお教えします
【突然妻から離婚したいと言われたら】今すぐ確認すべき重大ポイントを解説
【妻が出て行った】離婚したくない方が別居中にすべきことを徹底解説
妻からの離婚請求を回避し、夫婦関係を修復させる為の確かな方法
未払い養育費を請求して全額回収!元夫の逃げ得を防ぐ手段を解説
養育費を継続的かつ確実に払わせる方法を徹底解説!
離婚のメリットとデメリットを徹底解説!間違いのない決断を導く