親権者 離婚

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裁判所が親権者として求める5つのことをお教えします

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兄妹の画像

離婚の話し合いの際によく揉めるのは、子供の親権をどちらが持つかです。

 

もし話し合いで親権者が決まらない場合は、離婚調停に場を移して争うことになります。

 

そうなったときに「自分は親権者になれるのだろうか?」と不安になりますよね。

 

そこで今回は、親権についての詳細と共に、裁判所が親権者として求めるものを主に取り上げたいと思います。

 

親権だけは譲れないとお考えの方は、必ず知っておいてほしいポイントですので、ぜひご覧ください。

 

 

 

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親権者とは

親権とは、未成年者の子供を保護、養育し、子供の財産を管理する親の権利・義務です。

 

この親権を行使する者のことを「親権者」といいます。

 

婚姻中は、共同親権といい、父母ともに親権があります。

 

しかし、離婚をする場合には、共同親権は認められていません。

 

一方の親を親権者とする必要があり、それが決まっていないと、離婚届は受理されません。

 

なお、子供が20歳以上である場合や、または20歳になっていなくても結婚している場合は、親権者を決める必要はありません。

 

ところで、親権は「親の権利」のように思われがちですが、本来保護を要する子供のためにあるものと考えられています。

 

 

とりあえずの親権者はNG

どちらが親権者になるか揉めている。

 

長引きそうな為、まずは離婚を先に成立させたい。

 

そこで、とりあえずどちらかを仮の親権者にして離婚届を提出。

 

その後、改めてじっくり話し合いをしよう、という考えるのはやめましょう。

 

自分たちが仮の親権者のつもりでも、提出した離婚届に記載したとおりに戸籍に記入されてしまいます。

 

一度戸籍に記載されてしまうと、親権者を変更するには、必ず家庭裁判所の許可が必要となるのです。

 

ですので、この様な軽率な親権者の決め方をするのは避けてください。

 

 

 

親権には2つの内容から成り立つ

親権の内容は法律的に「身上監護権」と「財産管理権」の二つに大別されます。

 

それでは個別に見ていきます。

 

 

身上監護権とは

身上監護権とは次のことを行う権利です。

 

  • 子供の身の回りの世話をする
  • 子供のしつける
  • 教育を受けさせる
  • 居所の指定をする
  • 職業を許可する・・・など

 

 

財産管理権とは

財産管理権とは次のことを行う権利です。

 

  • 子供の財産を法的に管理する
  • 子供に代わって法律行為を行う ※1

 

※1 補足説明

契約の同意・取消権、法定代理権など、子供が法律行為をする必要があるときに、子供に代わって法律行為を行うことです。

 

 

 

親権者の決め方

協議離婚をするに際して、夫婦間に未成年の子供がいる場合は、話合いによって夫婦のどちらかを親権者に決定します。

 

離婚の話し合いのなかでも、よく揉めるのが親権者選びです。

 

子供にとっては両親が離婚することだけでも大きなショックを受けています。

 

その上、親権争いが勃発することで、子供の心はさらに深く傷つきます。

 

子供の精神的影響を考えると、話合いで円満に決まるのが理想です。

 

それが難しい場合は、話し合いを子供の目の前で行ったり、話し合いが聞こえないようになどの最低限の配慮をするべきです。

 

 

妊娠中の子供の親権者はどちらになる?

子供の出産前に離婚する場合は、戸籍に子供の記載がありませんので、離婚届に親権者を記載する必要はありません。

 

そして、離婚後に生まれてきた子供は、当然、母親が親権者になることになっています。

 

 

 

話し合いで決まらない場合は調停を申し立てる

話し合いで親権者が決まらない場合には、家庭裁判所へ離婚調停の申立を行い、調停によって親権者を決定することになります。

 

また、離婚には合意しているが、親権者について合意できない場合も同様です。

 

調停とは、当事者夫婦と中立的な第三者である調停委員を交え、親権者について話し合いをし、合意を目指す場です。

 

調停委員とは夫婦の言い分を聞き、その上でアドバイスや解決案を出し、お互いが合意できるように導く役割を担っています。

 

調停でも合意形成が出来ない場合は、裁判所の審判によって親権者を指定されることになります。

 

審判とは、調停が不成立の際、これまでの事情を踏まえ、裁判所自らの判断で親権者を決定することです。

 

【離婚調停の申立手続きの概要】

申立人:夫または妻

申立先:原則、相手方の住所地の家庭裁判所

必要書類:申立書、戸籍謄本(戸籍記載事項証明書)

申立費用:収入印紙1,200円、予納郵便切手

 

なお、離婚調停に関する詳細は「離婚調停対策情報」をご覧ください。

 

 

親権者のほかに監護者を決めることも可能

離婚の際には、親権者のほかに、監護者を決めることもできます。

 

監護者とは、親権の内容である「財産管理権」「身上監護権」の内、「身上監護権」のみを行使できる人を指しています。

 

つまり親権者になれなくても、監護者となれば子供の世話や身の回りのことができます。

 

ただし、子供の財産の管理はできません。

 

たとえば、父親が親権者になることを主張し、母親もそのことを認めている。

 

しかし、父親が仕事で忙しく、通常のの養育が十分に出来ない。

 

よって、母親が監護権者として子供を引き取り、共に生活することもできます。

 

ただし、親権者と監護者を分けることは、離婚後も親同士が一定の信頼関係を築けることが絶対条件です。

 

なぜなら、子供が日常生活するにおいては、別々の役割を持つ親権者と監護者の協力を、必要としなければならないときがあります。

 

親権者と監護者が協力できないのであれば、子供の日常生活に支障をきたすことになります。

 

ですので、離婚後に親同士が一定の協力関係を築けない恐れが少しでもあるのなら、親権者と監護権者は分けるべきではないです。

 

なお、監護者についての詳細は「親権を分けて監護権者の設定を考えている方が知っておくべきこと」をご覧ください。

 

 

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家庭裁判所が親権者を決める際のポイント

審判などで裁判所が親権者を決めるのに重視するのは「子供の利益」と「福祉」にかなうかどうかです。

 

つまり子供が成長する上で、どちらの親が親権者として適格性があるか?ということです。

 

親権争いの際、「こちらの方が経済力は豊かだから、親権者に指定される。だから親権を争っても無駄だぞ!」

 

この様な、やりとりがよくありますが、正しい理解ではありません。

 

経済力は親権者を決定する上での、1つの考慮事項に過ぎません。

 

なぜなら、お互いの経済力の差は、一方が義務である養育費を支払うことで解決できるからです。

 

「子供の利益」と「福祉」とは具体的には以下の通りになります。

 

 

「子供の利益」「福祉」の具体例

それでは家庭裁判所を考える「子供の利益」と「福祉」は以下の通りです。

 

家庭裁判所はこれらを総合的に考慮して親権者を定めます。

 

 

監護体制の優劣

次のような事情が比較されます。

 

  • 父母自身の健康状態は良好か
  • 性格に問題がないか
  • 育児にどれだけ時間を取れるか
  • 経済状況はどうなのか

 

また、父母が育児に専念できずに、監護補助者を必要とする場合は補助者自身の心身状況、育児経験の有無なども考慮されます。

 

 

子供に対する愛情、監護意思

父母自身に子供を育てる意思・意欲はあるかどうか、子供に対する愛情はあるのかどうかを比較します。

 

 

子供自身の年齢や意思

家庭裁判所が特に重要視する1つが、子供自身の年齢や意思となります。

 

それでは年齢別に取り上げています。

 

 

【10歳未満の子供】

10歳未満の子供は、父親より母親の愛情を強く必要としています。

 

ですので、母親のもとで監護されること、母親とのスキンシップによる養育が一番幸せだという考え方が一般的にされています。

 

その為、母親が親権者に指定される傾向が強いといえます。

 

 

【10歳以上15歳未満の子供】

10歳以上15歳未満の場合も10歳未満の子供と同様、母親が親権者に指定されるケースが多いです。

 

但し、子供の意思が考慮される場合もあります

 

 

【15歳以上の子供】

15歳以上になると、必ず裁判所が子供の意思を確認して、その内容を尊重して親権者を決めることになっています。

 

家庭裁判所は子供の意思に拘束される訳ではありませんが、その意思はかなり重要視しています。

 

 

子供の現状

家庭裁判所が特に重要視する1つです。

 

夫婦が別居状態で、子供は一方の親もとで養育されているとします。

 

急激な生活環境の変化をもたらすような親権者・監護者の決定の仕方は、子供の心理的負担をかけるとされています。

 

その為、現状に暮らしている親を親権者に指定する傾向があります。

 

例えば、親権者争いの対象である子の年齢が10歳未満で、その子は別居中の父親のもとで、長年暮らしているとします。

 

10歳未満の子なので、通常なら裁判所は母親を親権者として指定しますが、生活環境に慣れている父親側の環境で暮らすことが一番と考え、父親を親権者として指定します。

 

この様な傾向を「現状維持の原則」といいます。

 

なお、現状維持の原則についての詳細や関連記事は「 親権を得る為の子供の連れ去りでも、現状維持の原則は適用される?」をご覧ください。

 

 

兄弟姉妹ごとに親権者を分けない

裁判所は親権者を指定する際、兄の親権者は父、妹の親権は母というようには分けず、どちらか一方を親権者に指定するのが原則です。

 

これを「兄弟姉妹の不分離」の原則といいます。

 

兄弟姉妹が一緒に暮らすことは、かけがえのない事であり、子供の福祉や利益に適うからです。

 

しかし、次のようなケースは一概にもそうとは限りません。

 

離婚前の別居で長い間、兄弟姉妹が父親と母親それぞれ別々に育てられ、子供が別居後の生活に順応している。

 

この場合、安定した状態を変化させるのは、逆に子供に負担を与えるとして、兄弟姉妹は別々の親権者が指定される傾向があります。

 

 

 

親権を争う父親の現状とは?

親権を家庭裁判所の調停などで争った場合、どうしても父親は不利な状況におかれます。

 

特に10歳未満の子供については、どうしても母親が必要と考えられているので、父親を親権者とするのは稀です。

 

ただし、夫婦が別居中で子供が父親と共に暮らしている場合や、15歳以上の子供が父親と暮らしたいという意思表示をしている場合には、父親にも親権が得られることも大いにあります。

 

そのような事情がなければ、自身が親権者に選ばれるように最善を尽くすほかありません。

 

それでも大方は母親を親権者として指定されることが現状です。

 

であれば、父親側とすれば親権を諦める代わりに、子供との面会交流の回数を増やすことを提案することが一番ベターです。

 

母親側も親権を諦めてくれるなら、その点は認めてくれることが十分考えられます。

 

なお、面会交流についての詳細は「面会交流の取り決めをする上で、必ず押さえておきたいポイント」をご覧ください。

 

 

 

親権の有無と養育費支払い義務

子供の親権は譲る代わりに、養育費を払わないという考え方や主張をする男性は多いです。

 

しかし、親は子供に対し「生活保持の義務」があります。

 

生活保持義務とはお互いに同程度の生活レベルを確保する扶養義務です。

 

親権者・監護者になるかならないか、離婚後の面会交流を認めるか認めないかなどに関係なく、養育費は親として当然に分担しなければなりません。

 

それに加え、子供と一緒に暮らしていないという事情は、子供と一緒に生活している親よりも扶養の義務が軽くなるものではありません。

 

裁判所も養育費と親権者の関連性について以下の通りに判断しています。(福岡高決昭52・12・20より)

 

両親は親権の有無に関係なく、それぞれの親の資力に応じて未成熟子の養育費を負担する義務を負うものである。

 

よって、親権者となった親側が第一次的に扶養義務を負担すべきであると解することはできない。

 

 

 

浮気をした側は親権者にはなれない!?

よく夫婦の一方が浮気などをしているとして、これを理由に、親権者としてふさわしくないという主張することがあります。

 

しかし、浮気をしたから必ずしも親権者になれないという訳でありません。

 

浮気をした有責性はあまり重要視すべきではなく、子供の親権者として、ふさわしいかどうかが何より重要だからです。

 

もちろん、浮気をした結果、子供の面倒を全く見ないような事情があれば別です。

 

しかし、浮気をしたことと、子供の親権者として適格性を欠くということは、必ずしもリンクするものではありません。

 

 

 

「裁判所が親権者として求める5つのことをお教えします」まとめ

 

今回は親権についての詳細と、裁判所が親権者として求めるものについて主に取り上げてきました。

 

親権を譲れない方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

 

最後に繰り返しになりますが、子供にとっては両親が離婚することだけでも大きなショックを受けています。

 

ですので、間違っても子供の前で親権争いをしてはいけません。

 

親権の話し合いの際は、子供に対しての配慮を忘れないようにして下さいね。

 

 

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