離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
何らかの理由で協議離婚ができない場合、離婚する為の次のステップは「離婚調停」で「調停離婚」を目指すことになります。
今回は、その離婚調停がどの様な制度かを取り上げます。
離婚条件などの話し合いで揉めている為、協議離婚ができない状態にある方はもちろん。
これから協議離婚を始める方も、もしそれが決裂した時を考えて、予め離婚調停のことを押さえておくべきです。
私は急に離婚調停をする状態になり、そのときは何も知らなかったので不安だらけでしたし、実際に苦労からからです。
予め離婚調停のことを知っておけば、不安も大分と違うでしょうし、実際の行動もスムーズに移しやすくなります。
目次
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離婚調停も協議離婚も基本的には夫婦の話し合いにより、離婚の合意、及び離婚条件の「合意」を目指します。
大きな違いは、離婚調停の場では夫婦が直接話し合うのではなく、裁判所内の中立的な第三者が夫婦の間に入ることです。
具体的には、裁判官1名と男女1名ずつの調停委員で構成される「調停委員会」がそれを担当します。
夫婦の間に入り、双方の主張などを主に聴くのは調停委員です。
聴き取りしたことを基にして、問題解決のアドバイスや調整案の提示などを行い、問題解決を目指すのが離婚調停です。
この様な過程を経て、最終的に夫婦が合意することにより、離婚が成立することを「調停離婚」といいます。
繰り返しますが、調停離婚も夫婦の「合意」が必要ですので、調停委員からのアドバイスや調整案には強制力はありません。
私が離婚調停をする際に抱いた不安は次のことです。
離婚調停は家庭裁判所で行われる為、「自分達が知らない第三者の傍聴者がいるでは?」と内容です。
実際は、離婚調停は「非公開」ですし、調停委員会などのメンバーには厳重な「守秘義務」があります。
ですので夫婦のプライバシーが第三者に漏れることはありません。
お伝えした通り、離婚調停は調停委員を交えての話し合いにすぎないので、弁護士がいなくても十分に対応は可能です。
実際に私は弁護士に依頼せずに自分だけで行いましたが、弁護士がいないことで何ら困ったことはありませんでした。
厚生労働省が公表している人口動態統計によると、平成29年度の離婚総件数は212,262組でした。
その内、協議離婚と調停離婚の全体からの割合は次の通りです。
調停離婚・・・20,902組(9.85%)
10年前の統計と比べても、ほぼこの割合に変化はありません。
協議離婚と調停離婚に掛かる費用ですが、基本的に協議離婚は費用が必要ありません。
調停離婚にかかる費用は次の通りです。
私は当初、離婚調停すること事体にも多額のお金が必要だと思っていましたが、実際はこのように少額ですんだので助かりました。
離婚する為には、まずは協議離婚から試みるのが基本であり、最初から離婚調停を申し立てるのはNGです。
主な理由は次の通りです。
それでは個別に見てみましょう。
何の前触れもなく、こちらがいきなり離婚調停を申し立てすることで、相手が怒ることは十分に考えられます。
なぜなら最初の段階では、お互いの話し合いから始めるのが普通だと相手は思っているからです。
怒らすことで、相手は態度を硬化するので、調停での話し合いは難航することは必須です。
離婚調停で何らかの結果が出るまでの平均は「5ヵ月前後」と長い期間が必要です。
これほどの期間がかかる主な理由は、離婚調停は1ヵ月間隔で行われるので、1度に多くのことが決めらないからです。
協議離婚の場合は、話し合いを毎日することも可能なので、もっと短期間で決着する可能性があります。
協議離婚の場合、お互いの合意さえできれば、離婚条件は相場に囚われずに決めることができます。
たとえば、あるケースでの慰謝料の相場が100万円であるところ、300万円にすることが可能です。
一方、離婚調停は調停委員が間に入る為、相場よりかけ離れた条件を求めた時には、相場的な内容とするように説得されがちです。
協議離婚はお互いの合意さえできれば、事細かな取り決めをすることが可能です。
たとえば、子どもが事故などの特別な医療費が発生した場合、その時の負担する割合などを決めることができます。
しかし、調停離婚は一般的な取り決め内容となる可能性が高いです。
家庭裁判所は多くの案件を抱えている為、個々の離婚に関する問題の深堀まではできないからです。
実際に私も、ごく一般的な取り決め内容での調停離婚となりました。
離婚調停はどんな時に利用すべきか、についてです。
先ほど、協議離婚を飛ばしての離婚調停はNGだとお伝えしましたが、次の2つの場合は最初から離婚調停を申し立てるべきです。
離婚の話を持ち出すと、強いDV(暴力)を振われる可能性が高い場合は、二人で話し合うのは身が危険です。
対処法のひとつとしては、別居してから離婚調停を申し立てることが考えられます。
申し立てをする際に、調停の場で相手と顔を合わせると暴力を振われる可能性がある事を事前に相談しておけば、適切な対処をしてくれます。
また強度のモラハラをしてくる場合も、最初から離婚調停を申し立てることです。
高圧的で常識外の言動を繰り返す相手では、極度のストレスが溜まるのはもちろん、相手に制圧され何も言えなくなります。
上記以外の場合は、まずは協議離婚を試みます。
しかし、相手が離婚を断固として拒否する場合や、離婚には応じるも離婚条件の話し合いには応じない場合があります。
相手との合意を得ようと何度も話し合いをしたが、相手が応じないなら協議離婚は諦め、離婚調停を申し立てる流れとなります。
ちなみに私の場合は、夫の不倫がきっかけで別居となり、その後3ヶ月経っても謝罪1つ無いどころか、子供の事も全く無視。
私はこの様な相手とはこの先難しいと思い、夫に離婚を請求したところ、
「お前がそうしたいなら応じるけど、慰謝料も養育費も一切払うつもりはない!」と言われ、全く離婚協議に応じなかったのです。
その様な経緯があり、私は離婚調停を申し立てました。
この様なケース以外でも、離婚条件の話し合いで揉めてしまい、長引いている場合も、離婚調停を申し立てるタイミングの典型です。
なかには「あれだけ話し合いをしても無理だったから、離婚調停じゃなく離婚裁判で決着つけたい!」と考える方もいるでしょう。
しかし、離婚調停をせずに離婚訴訟を提起することはできません。
なぜなら「調停前置主義」といって、裁判をするには最初に離婚調停から始めないといけないルールがあるからです。
離婚のように夫婦間の紛争などの家庭内の事件は、証拠によって事実の白黒をはっきりさせ、法律を適用して結論を下すのは必ずしも適当ではない。
この様な理由から調停前置主義が取られています。
まずは調停委員などの第三者を挟んでの話し合いで、解決させる方が望ましいということです。
ここからは離婚調停の大まかな流れについて取り上げていきます。
離婚調停がどのような流れで進められるかをこと知ることで、離婚調停という制度がイメージし易くなりますよ。
離婚調停は相手側の住所地を管轄する家庭裁判所に「申立書」を提出することで行うことができます。
申立書は、家庭裁判所の受付などに行けば、所定の用紙をうけとれますし、裁判所のホームページでもダウンロードできます。
離婚調停の申立てをすると、申立人と相手方に対して、調停の日程が記載してある呼出状が家庭裁判所から送られてきます。
この呼出状が届くのは、申し立てから約2週間程度であり、初回の調停期日は申し立て日から約1か月後になることが多いです。
調停の日程に都合が合わない場合は、「期日変更申請書」を提出することで期日の変更が出来る場合もありますよ。
正当な理由なく調停を欠席することはできず、欠席が続けば5万円以下の過料を科せられます。
申立人:夫または妻
相手先:配偶者
申立先:相手側の住所地または夫婦が合意する家庭裁判所
費用:収入印紙1,200円、切手
添付書類:夫婦の戸籍謄本
お伝えした通り、離婚調停の進行は、裁判官(家事審判官)1名と調停委員2名の合議体である調停委員会によって行われます。
ただ裁判官は同時に多数の調停にかかわる為、通常は調停委員2名を中心とします。
原則、一方が調停室で調停委員と話している際、もう一方は待合室で待ちます。
ですので、当事者同士が直接に顔を合わせることはありませんよ。
調停委員は次の様なことを聴取します。
・これまでの婚姻生活の実態
・相手のどの部分に不満を持ったか
・現在の生活状況
・生活費はどうしているのか
・親権についての考え
・離婚後の生活について・・・などなど
上記のような内容について、調停委員が夫婦双方の言い分を聞いて、その言い分を元にアドバイスや調整案などをだし、問題解決の途を探ります。
調停は約1カ月~3カ月間隔で行われ、1回の調停は通常2~3時間かかります。
そして結果が出るまでの平均は約4回前後の話合いで、期間的には5ヵ月程度かかるケースが多いです。
調停や後ほどお伝えする審判によっても離婚が成立しない場合、それでも離婚の成立を目指すなら離婚訴訟へと移ります。
※離婚訴訟についての詳細は「離婚裁判で離婚判決を得る為に必要な5つの離婚原因を知っておこう」で取り上げています。
夫婦が話合いにより、全てのことに合意が得ることができれば、その話で決まったことをまとめた「調停調書」が作成され、調停離婚が成立します。
この調停調書は裁判での確定判決と同様の効果があります。
ですので、養育費や慰謝料などを支払いが滞った場合、強制執行することが可能です。
なお、調停成立後、10日以内に離婚届と調停調書の謄本を市役所、区役所などに提出をする必要があります。
離婚調停を重ねてきた結果、合意まであと少しなのに詰めの段階で相手が来なくなった。
またはほんの少しだけ、お互いの意見が食い違うために調停が成立しない場合がありますが、これってもったいないですよね。
このような場合は次の様なことが行われることもあります。
本来なら離婚を成立させた方が当事者の為であると家庭裁判所が判断した場合、
調停委員の意見を聞き、夫婦にとって公平な結果になるように、離婚や親権、財産分与などの判断を職権で行います。
このように調停によって離婚が成立しない場合、家庭裁判所が自らの判断で離婚の審判を下すのが「審判離婚」です。
審判は確定すれば確定判決と同等の効力をもちます。
しかし夫婦の双方、又は一方が、審判に納得がいかないとして、2週間以内に異議申立てをすれば効力を失い、離婚は成立しません。
よって審判離婚は非常にレアなケースで、全体の1%も満たない離婚方法となります。
今回は協議離婚ができない場合の次の段階である「離婚調停」がどの様な制度かを主に取り上げました。
最後に離婚調停のポイントを箇条書きでまとめます。
離婚調停を申し立てるのは、相手からDVや強度のモラハラを受ける場合を除き、あくまで協議離婚が決裂した場合です。
ですので、協議離婚を試みる前や最初の段階では、今回お伝えした内容を押さえておくことで十分です。
なお、既に離婚調停の段階に来ている方は、離婚調停の対策についての詳細を載せている別ブログがあります。
こちらでは離婚調停で有利な結果を得る為の方法などの詳細を解説しています。
↓のリンクからご覧いただけます。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
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