離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
「こんな夫とは一刻も早く離婚したい!」
との思いで子供の親権だけ母親がもらうことを約束して、その他の養育費などは取り決めしないままに離婚してしまった・・・
または養育費の約束をしたものの、数回だけ支払いがあった後は振り込まれてこなくなった・・・などなど
このように養育費を受け取らずに数年経ったが、やっぱり養育費を支払ってほしいと思う方は多くいるでしょう。
そこで実際に養育費を支払ってほしいと伝えたところ、相手から「養育費は時効だから払わない!」と拒否されてしまった・・・
この主張で諦めそうになるかもしれませんが、養育費と時効の仕組みを正しく理解することで、養育費を受け取れる可能性はあります。
相手から時効論を振りかざされて、養育費の支払いを拒否されている方は、ここでお伝えすることは参考になるかと思います。
目次
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母子家庭で経済的に裕福なところはほとんどありません。
ですので、離婚時には約束していなかったが、後になってやっぱり養育費を払ってほしいと思うのは当然です。
そこであなたは元夫に養育費を請求したとします。
「離婚してから随分と日が経っているから養育費は時効だ!だから俺には義務が無いから一切払わない!!」
はたして相手の主張は正しいのでしょうか?
民法877条には「直径血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と規定されています。
養育費は親子関係に基づく法律上当然発生する親の義務です。
ですので、子と父親(母親)の関係が存続する限り、「養育費を請求できる地位」は時効にかからないということになります。
つまり、養育費の取決めを具体的に書面に残さず、離婚後ある程度の期間が過ぎたとしても、
子供が自立するまでの間は、いつでも養育費を相手に請求することが可能です。
まずは口頭で相手に養育費を請求することです。
相手が拒否した場合は、内容証明にて養育費を請求します。
内容証明とは、誰が・いつ・どんな内容の郵便を、誰に出したのかを郵便局が証明してくれる特殊な郵便です。
手紙の文面には「養育費を払わなければ、法的手段をとります」などを入れます。
この様な郵便物を送ることによって、支払い義務者にプレッシャーを与えることが出来ます。
結果、相手が養育費の支払いに応じる可能性があります。
その場合は、その証拠を残す為に「公正証書」などの書面に、養育費の取り決め内容を残すことは必須です。
公正証書にしておくことで、養育費の支払いが滞ったときは、相手の財産を差し押さえが出来る「強制執行」が可能となります。
内容証明で養育費を請求したが、それでも相手が養育費の支払いに応じない場合は、家庭裁判所に「養育費請求調停」を申し立てます。
養育費請求調停とは、調停委員という中立的第三者を挟んで、当事者が養育費の分担について話し合い、合意を目指す場です。
養育費請求調停でも合意が出来ない場合は、自動的に審判に移ります。
審判とは、裁判官が一切の事情を考慮して、養育費について判断することです。
養育費を請求する側とすれば、離婚時に遡って養育費を支払ってほしいと思いますよね。
養育費請求調停は、あくまで当事者間の話し合いです。
ですので、相手が離婚時まで遡って払うことに同意すれば、離婚時の分から受け取ることが出来ます。
それでは相手が支払いを拒否し、審判となった場合はどうでしょうか?
基本的には請求した月以降の養育費しか認められません。
つまり、離婚時に遡って支払いを求めるのは難しいです。
相手にそれなりの支払い能力があるなら、申し立て時より5年前まで遡っての支払いを認めた判例もありますが稀です。
ですので、養育費の取り決めをしなかった場合は、早急に調停を申し立てることです。
お伝えした通り、養育費の取決めを具体的に書面に残していない場合、養育費は時効にはかかりません。
しかし、「離婚協議書」や「調停調書」などで、養育費の取決めをした場合は、時効はあります。
養育費を書面で「毎月5万円の養育費を支払う」などと、具体的に取り決めをした場合は“定期給付債権”となります。
定期給付債権とは、基本権を元に具体的に発生した債権のことです。
たとえば、賃貸物件を借りている場合、毎月の家賃がそれにあたります。
この定期給付債権は「離婚協議書(公正証書)」で養育費を取り決めた場合、5年で消滅時効にかかります。
裁判所で作成した「調停調書」や「判決書」などの場合は、10年で消滅時効にかかります。
養育費の時効はいつからカウント(起算点)が始まるかについてお伝えします。
養育費の支払いを毎月払いにした場合、相手の養育費の支払い義務は毎月発生することになります。
そして各月の支払日の翌日から時効のカウントが始まり、5年または10年を経過するごとに、順繰りで消滅時効の期間が経過することになります。
まもなく養育費が消滅時効にかかりそうならば、時効完成前に内容証明で請求し相手に到達すれば、しばらくの間は時効を止められます。
そこから(到達日)から6カ月以内に調停や裁判で請求すれば、消滅時効は完成しません。
また調停調書で養育費を取り決めた場合や、強制執行を可能とする認諾約款がある公正証書を作成している場合は、
強制執行することも対処法のひとつして考えられます。
養育費の取り決めを書面に残しているが、相手からの支払いが止まってから5年(10年)経ってしまった・・・
この場合「養育費は請求できる余地はもうないの?」と思う方も当然いるでしょう。
答えは、消滅時効が完成しても、相手が消滅時効を正式に援用していない間は、請求自体は可能です。
援用とは、簡単に言うと「この分の養育費は消滅時効にかかっているから払いません」と内容証明などで知らせる行為をいいます。
たとえ養育費が消滅時効に掛かったとしても、相手が正式に援用するまでは、請求することで相手が支払ってくれる可能性もあります。
そして相手が支払うことを認めれば、その時点から新たに時効が開始されます。
以上のことから、相手が時効を主張していないのであれば、すぐにでも請求を行うことです。
5年(10年)経ってしまって相手が時効を主張してきても、5年間(10年間)分が、まるまる請求が出来ないというわけではありません。
どういうことかというと、月々払いとしている5年前(10年前)の養育費は、確かに消滅時効に掛かるので請求できません。
ですが4年11カ月前(9年11カ月前)の分は、消滅時効に掛かっていないので請求は出来ます。
大事なことは、相手からの養育費の支払いが滞っているならば、早めに請求するということです。
今回は養育費と時効について取り上げました。
最後にポイントをまとめます。
「子と父親(母親)の関係が存続する限り、養育費を請求できる地位は時効にかからない」
「裁判所で養育費を決めた場合の消滅時効は10年間」
「離婚協議書(公正証書)で養育費を決めた場合の消滅時効は5年間」
「養育費が消滅時効に掛かったとしても、相手が正式に援用するまでは請求は可能」
「養育費を相手から求めるなら、いち早く請求すること」
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
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