離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
離婚に際して、離婚協議書(公正証書)の重要性を知り、実際に作成される方は多いかと思います。
離婚協議書は、離婚後の生活を守ってくれる重要な書類ですので、確実なものを作成する必要があります。
しかし他人に自分の離婚について話したくない、または専門家に依頼すると費用がかかるなどの理由から、
離婚協議書のサンプルや、雛形のワードファイル等をダウンロードし、それを使用して作成する方いますが全くお勧めできません。
なぜなら一般の方が、サンプルや雛形を参考にして作成した離婚協議書(公正証書)は、不備が多く効力がないものも多いからです。
今回はサンプルなどを利用して、作成することの問題点などを詳しく取り上げます。
ご自身で離婚協議書(公正証書)の作成を考えている方は、どれだけリスクが高いことが分かって頂ける内容となっています。
なお、離婚協議書や公正証書についての詳細は「離婚協議書を公正証書にすることで効力は絶大となります」で取り上げています。
目次
法律知識のない方がサンプルや雛形を使用して、離婚協議書(公正証書)を作成することは大きなリスクが伴います。
そのことをまずはお伝えします。
離婚協議書の大きな役目は、もしも内容について争いが起きた際にそれが証拠として残ること。
それを果たすには、離婚協議書が契約書として法的に有効な内容であることが必須です。
ではありますが、契約書として問題なく機能させるには、それ相応の作成能力が不可欠です。
ひとつの文言が抜けているだけでも、一番大切な局面で全く役にも立たない事も。
サンプル等を見て、単に離婚協議書を作っただけでは、目的は果たせずに意味がないのです。
このことに関する詳細は後ほどお伝えします。
次は具体的にサンプルや雛形を見て、離婚協議書(公正証書)を作成した際の、ありがちなミスについてお伝えします。
離婚する夫婦はそれぞれ、その夫婦だけの事情があるので記載する内容は様々です。
しかしサンプルはひとつの夫婦をモデルとして載せている為、それを基に自分達用にカスタマイズする必要があります。
しかし一般の方は、どんな部分を補足すべきか、何が要らないのか、どの様な文言にすべきか等が分かりません。
結果、サンプル通りにあてはめてしまって、整合性が取れていないようなものをよく見受けられます。
他には、自分達が取り決めたことなのに、サンプルにないから書いていない、あるいはしっかり文面にできていない。
サンプルのある条項を適切に変えることが出来ても、それに伴って変更しなければならない部分に気づけない。
本来は必要不可欠な取り決めが、サンプルに掲載されていないが為に出来ていない。
反対に、取り決めをしていない事なのに、サンプルに掲載しているからそのまま載せている。・・・などなど
以上のことから、一般の方がサンプルや雛形を基に、法的に問題がない離婚協議書を作成するのは難しいと言えます。
仮にサンプルや雛形を基に、法的には問題がない離婚協議書(公正証書)が作成できたとします。
しかし実際に、実益性がある契約書であるかは疑問です。
本やネットで掲載されているサンプルは本当に簡単なものですし、そもそもどの様な夫婦をモデルにして作られたものかが分かりません。
繰り返しになりますが、離婚で取り決めるべき内容は人それぞれであり、個別具体的に決めなければなりません。
サンプルを使い形式的に作成してみても、それは離婚する家庭の実情に沿ったものではありません。
当然ながら、大事な部分が抜け落ちていたり、内容的に不十分です。
(特に住宅ローンが残った財産分与がある場合は、それが顕著となります。)
ですので、そのような離婚協議書(公正証書)は「契約書」としては不完全です。
場合によっては、何の役にも立たない紙きれにもなりかねません。
また離婚協議書は、離婚後のあらゆる場面やトラブル防止を想定して作成しなければなりません。
サンプルで作成した形式的な離婚協議書に、それを期待することは出来ませんよね。
よって、サンプルだけで作成した離婚協議書(公正証書)は、離婚後トラブルに発展する可能性が高いです。
「離婚後のあらゆる場面を想定した、実益性のある離婚協議書(公正証書)を作成したい!」
そう考えるなら、離婚の専門家に作成を依頼するべきです。
「私は公証人のチェックが入る離婚公正証書を作成するから、問題ないものが出来上がる」と考える方もおられるでしょう。
確かに公証人は、法律実務に長年従事してきたプロであることに間違いはありません。
しかし公証人は、一般的に就任から約5,6年程度の方が多く、“公証人としてのキャリア”が豊富とは一概には言えません。
加えて公証人は、夫婦の取決めが法律的に有効か否かを主に見ています。
ですので、たとえサンプルに載っている条項の解釈を誤って使用したり、文面に抜け落ちがある為に条項として不完全であっても、
文章が法的に一応有効であれば、この様な個所を公証人に必ず指摘してもらえるかとは限らないのです。
つまり公証人はあくまで言われた通りのことを文章化にし、法的には一応問題がないものを作成してもらえるにすぎません。
公証人の方から、個別具体的に離婚に関するアドバイス等を、積極的に受けられるわけではないのです。
以上の様なことから、公証人のチェックが入っても、実益性の高い離婚公正証書が必ず出来るわけではありません。
お伝えした通り、サンプルや雛形を見て作った離婚協議書(公正証書)では、自分の意に沿わないものになる可能性は大です。
しかし離婚協議書は契約書である以上、文面の内容に当事者は拘束されます。
ですので作成してしまった後に、 「その様な意味であの条項を使ったのではない!」「やっぱり、あの条項は無かったことにして!」
このような主張しても取り消せません。
取り決めた内容を取り消すには再度、離婚協議書(公正証書)を作り直す必要があるからです。
ただし、それには相手の同意が必要となってきます。
相手が作り直すことに同意してくれればいいのですが、相手が不利になる内容なら難しいでしょう。
同意しない場合は裁判をするしかなく、取り返しがつかないことになってしまいます。
この様な事態を避ける為には、やはりサンプルや雛形だけを頼りにして自分で作成するのはやめるべきです。
繰り返しになりますが、離婚後のあらゆる場面を想定した、実益性のある離婚協議書(公正証書)にしたいのなら、やはり離婚の専門家に作成を依頼すべきです。
確かに、専門家へ離婚協議書の作成を依頼すれば、費用はかかります。
しかし、それは離婚後の生活を守る為の必要経費だと思いますよ。
サンプルや雛形や見て作成したが為に、役に立たないものが出来てしまう。
そのせいで、再度そのことで相手と話し合う必要が出てくるのです。
一度解決したと思っていた問題が、再び勃発するほど苦痛なことはありません。
とはいえ、再度話し合いが出来て、相手がそれに応じてもらえのるなら未だマシです。
場合によっては相手が応じない事も十分あり、そのことが取り返しのつかない事態を招くことになります。
たとえば、養育費として月々4万円を15年間の支払いを受けるケースでは、総額720万円と大きな金額となります。
専門家に依頼する費用を渋るなどの理由などで、サンプルや雛形を見て作成した結果、ミスして効力の無いものが出来てしまった。
こうなれば1円も入ってこない可能性も十分あるのですから・・・
もし、720万円の養育費を受け取る事が出来ない場合、次の様な弊害が出てきます。
お金に余裕がない為、子供が興味を持っている習い事に行かせてあげられない・・・
養育費が貰えない為、その分働いて稼ぐ必要があるので、子供と接する時間を十分に持つことが出来ない・・・
離婚に何の責任もない子供に一番迷惑が掛かるのです。
当然ながら、この様な事態は避けなければなりません。
離婚協議書(公正証書)の作成をサポートしてくれる専門家は主に「弁護士」と「行政書士」となります。
弁護士と行政書士の大きな違いは、依頼者に代わり、代理人として相手方と交渉を行うことができるかどうかです。
弁護士は代理人になれますが、行政書士はなれません。
ですので、行政書士は離婚協議書の内容について、依頼者に代わり、依頼者の配偶者に交渉したり、説明したりすることはできません。
その代り、行政書士の方が弁護士と比べて費用は安く済みます。
弁護士または、行政書士のどちらかに依頼するとしても、離婚業務を専門としているところに依頼することは絶対です。
色々な業務を扱っているところは、離婚業務について、実は全く実務経験がないところもあるのです。
離婚問題は法律だけが全ての分野でなく、夫婦双方の感情が大きく関わる特殊な分野です。
ですので離婚専門である事に加えて、離婚協議書(公正証書)の作成を、今までどれだけの数多く携わったのか等も重要なポイントです。
このことの詳細は「離婚の弁護士選びで失敗しない為に必ず押さえておくべきこと」で取り上げています。
専門家に依頼する費用が捻出できない等、やむを得ない理由で、自分で離婚協議書(公正証書)を作成することもあるでしょう。
その場合、参考とするサンプルは、出来るだけ多く用意してください。
大きな書店に行けば、離婚協議書の文面作成に必要なサンプルが、多く掲載されている本はそれなりにあります。
そして1つのサンプルだけで作成しないでください。
色々なサンプルを見て、自分自身の実情に合わせて、サンプルを選び、組み合わせて作成しましょう。
そして、出来たものは必ず専門家にチェックを受けるべきです。
そうすれば、法律的に無効な離婚協議書はできませんし、1つのサンプルで作成するよりは、自身の実情に沿ったものが出来ます。
しかし、あくまでやむを得ない事情以外は、離婚の専門家に作成してもらうことが原則です。
今回はサンプルや雛形を利用して、離婚協議書(公正証書)を作成することの問題点などを詳しく取り上げました。
サンプルはあくまでサンプルであり、離婚する夫婦で様々に変わってくる離婚問題に対応できるものではありません。
離婚後の生活を守りたいのであれば、やはり離婚の専門家に作成してもらうべきです。
それでは最後までご覧頂きましてありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
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