離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
あなたは自身の夫に対して、次のような思いをお持ちではないでしょうか。
✓ 夫は常に私に対して厳しいけど、これは一般的なこと? それともモラハラ?
✓ 夫のモラハラに耐えてきたけど、我慢の限界だから離婚したい!
✓ 離婚したいと告げても、モラハラ夫は全否定してきた…どうしたらいい?
あなただけの問題ではありません。モラハラが横行する家庭で育つ子供の人格形成に、大きな悪影響を及ぼすこともあるのです。
ここではモラハラ夫の特徴や、モラハラ夫と離婚するための方法などを取り上げます。
この記事を読むことで、あなたの夫がモラハラに当てはまるのか? モラハラ夫と離婚するには何をすべきかが分かります。
モラハラ夫と離婚するのは簡単ではありません。しかし苦悩の日々を終わらすには、離婚に向けての行動が必要不可欠。その一歩を踏み出しましょう。
夫からの何か傷つくことをされても、それが本当にモラハラ行為を受けているかどうかは分かりませんよね。
なかには「もしかすれば夫の行為は一般的で、他の家庭の夫にもよくあることでは?私の我慢が足りない?」など不安になる方も。
まずはモラハラとはどんな行為をさすのかをお伝えします。
モラハラとは、「モラスハラスメント」の略で、精神的暴力などによる嫌がらせのことで、相手の「常識外の言動」が原因で起こります。
夫婦それぞれの常識が一致していればモラハラは問題になりません。
妻と夫との間で常識が大きく異なっていると発生します。
モラハラとされる行為は多くありますが、そのなかでも代表的な行為は次の通りです。
以上のような言動を夫は常に行い、妻の精神を破壊し、自分の支配下に置こうとします。
モラハラ夫の特徴としては次のようなタイプが多いです。
モラハラ夫は二面性を持ち合わせています。
家庭の外では、夫はとっても良い人であることが多いのです。
ご近所では良き夫を演じるので、とても評判の良い旦那さんと思われています。
外面はよい夫がいったん家庭に入れば、外の顔と比べものにならない程に豹変し、暴言などで虐待するモラハラ夫になるのです。
ですので、モラハラ夫は周囲に気づかれにくく、理解もされにくいところがあります。
モラハラ夫の最大の特徴は「俺はお前(妻)に対し猛烈な怒りを覚えているだぞ」という言動です。
ずっと無視をし続ける、食事が用意されていても食べない、家事の不十分な点を絶えずダメ出しする。
気に入らないことがあれば、故意的に大きな音を立てるように扉などを閉めたり、大きなため息をついたり、首を横に振り蔑んだ表情を浮かべる。
そして最後には「俺を苛立たせるお前が悪い」とのセリフをよく吐きます。
強度のモラハラ夫は妻を人間としての扱いをしませんし、自分の奴隷くらいとしか思っていません。
妻が反発する、思い通りにコントロールできない場合は子供さえも利用します。
具体的には、妻の代わりに子供をいじめたり、また子供の前で妻を圧力的に罵るなどして子供を洗脳します。
このようにして妻の自尊心を失わせ、モラハラ夫は妻を支配するのです。
モラハラ夫とは離婚したいと考える一方、「モラハラ夫を更生させて、もう一度心が通じ合う夫婦に戻る方法はないか?」と考えることもあるでしょう。
結論から言うとかなり難しいです。
あなたがいくら夫に対してモラハラだと指摘しても、夫は絶対に認めません。
認めないどころか指摘することで逆上し、さらなる暴言を吐かれてしまいます。
先ほど、こちらと夫との間で常識が大きく異なっているとモラハラが発生するとお伝えしました。
具体的には、こちらは夫の行為が「してはいけないこと」と思っている。しかし、夫は自分の行為は「してもいいこと」だと思っています。
この根本がズレている為、こちらが夫に間違っていると指摘しても、夫の思想は1mmも変わらないのでモラハラ行為は止まりません。
大事なのは、モラハラ夫の判断基準や価値観を変えようとしないことです。
相手は20才を超えて人格が既にできあがっている大人です。
長年生きてきて、培った判断基準や価値観を変えることは困難と言わざるを得ません。
価値観などを変えようと試みるものなら、モラハラ夫は待ちかまえていたかのように、妻が傷つく言葉を2、3倍にしてぶつけられるだけです。
無駄なエネルギーを費やさない為にも、夫のモラハラを更生することはやめましょう。
限られたエネルギーですので、モラハラ夫とどうすれば早く離婚できるか?ということに重点的に使うべきです。
モラハラ夫と離婚することを決意し、離婚を切り出したとします。切り出されたモラハラ夫はどういう対応をするでしょう。
普通の夫なら妻に離婚を請求された自分を反省をし、それを言葉にして許しを請います。
一方モラハラ夫の場合は、離婚を請求した妻を徹底的に否定し暴言を吐きます。
「今まで誰のおかげで生きてこれたと思ってんだ!!」
「出て行くなら今すぐ消えろ!!」・・・などなど
このようにモラハラ夫は決して自分の過ちを認めません。
単に離婚するだけなら、モラハラ夫も素直に応じるかもしれません。ただし離婚にはお金の問題が絡んできます。
財産分与や慰謝料、子供がいる場合は養育費について取り決める必要があります。
お金のことをきちんと決着をつけないと離婚できないのです。
話し合いをせずに、モラハラ夫から養育費や財産分与の合意を引き出すことはできないので、離婚協議は避けられません。
ところが、モラハラ夫は養育費などのお金は一切払う必要がないと考えるので、離婚協議は困難を極めます。
あなたが養育費などの話し合いをしようすると、モラハラ夫は理不尽な態度をとることは必然です。
たとえば、次のようなことが考えられます
このような理不尽極まりない相手に対して、離婚協議をまとめることは大変な労力です。
このように、モラハラ夫との離婚協議は、精神的に非常に厳しい戦いになることは覚悟しなければなりません。
協議の際の基本ですが、離婚協議の主なテーマは養育費などのお金である為、お金のことに絞って話すこと。これ以外の話、特に感情的なことは極力ださないことが重要です。
モラハラ夫との話し合いで、何よりも肝に銘じておくことが次のことです。
離婚協議中にモラハラ夫からどれだけ理不尽な対応を取られても、それに応戦してはならないこと。
夫の理不尽な対応に合わせて、あなたも理不尽な対応に切り替えると、夫は更に理不尽さを増して攻撃をしてくるからです。
この状況に陥ると、離婚協議がまとまることはできません。それどころか、いつも以上に夫は妻を攻撃してくるので、それに心が耐え切れなくなり、うつ病などの精神疾患を患うことも。
夫にどれだけ理不尽な対応を取られても、諦めず何度も冷静に話し合いを進めるしかありません。
その内、理不尽な対応をするモラハラ夫が、自分のやっていることが面倒になり諦めるときがいつか来ます。
これを実践することは非常に酷なことは重々承知していますが、協議離婚での離婚を目指すのであればこの方法しかありません。
協議離婚の方法では難しいと思われた方や、協議離婚を試みたが失敗した方は、裁判所の制度を利用して離婚を目指すことになります。
まずは家庭裁判所に「離婚調停」の申し立てを行い「調停離婚」を試みることです。
調停委員とは、夫婦の言い分を聞き、その上でアドバイスや調整案を出し、お互いが合意できるように導く役割を担っています。
しかし、離婚調停でも合意に至ることは難しいでしょう。
まず、モラハラ夫はお金を出す気がさらさらないため、そのことを話し合う調停の場にすらこない可能性もあります。
たとえ調停に来たとしても、既にお伝えした通り、モラハラ夫は家庭外だととてもよい人を演じます。
それを見た、調停委員はモラハラ夫の方の味方になる可能性が高いのです。
調停委員は年配の方が多く、昔ながらの夫は働いて収入を得てくる、妻は家庭を守るのが当然的な考え方をします。
誠実そうな夫を見ることで「夫は正しい、妻の方は我慢が足らない」と判断しがちです。
そして妻の方が考えを改めるべきなどと説得してくるので、妻側に不利な流れとなります。
ですので、あなたが望む内容での離婚はすることができません。
もちろん、モラハラに理解がある調停委員もいますが少数です。このような調停委員に運よく担当にあたることを期待しないほうがいいでしょう。
やはり確実なのは、あなたから次の対策を打つことです。
モラハラ問題を得意とする弁護士に、調停の場に同席で説明してもらい、調停委員に夫の有責性を理解させてこちらの味方につけること。
調停委員にモラハラの深刻さを理解してもらえれば、夫に養育費などを払うように説得してもらえることが期待できます。
弁護士をつける際は、依頼する弁護士によって結果は大きく変わりますので、弁護士選びは慎重にすることが必要です。
※ 適切な弁護士選びなどの詳細は「離婚の弁護士選びで失敗しない為に必ず押さえておくべきこと」で取り上げています。
離婚調停でモラハラ夫と離婚を争っている段階では、おそらく夫婦は別居している状態だと思います。
その際、妻に十分な継続的な収入や貯蓄があれば問題ないですが、そうでない場合はいずれ生活費に困ることになります。
よって別居中の生活費を確保するために「婚姻費用分担請求の調停」を申し立てをするべきです。
これは離婚調停と同時に申立てることもできます。
調停で合意が得られなくても、裁判官が夫に相当額の生活費を支払うようにという内容の審判を下してくれます。
なお、別居と離婚活動に関する詳細は「離婚を視野に別居を考えている方が失敗しない為に知っておくべきこと」で取り上げています。
離婚調停が不成立になれば、離婚裁判での離婚を目指します。
しかし「調停前置主義」といって、離婚裁判を起こす為には、まずは離婚調停を経なければならないというルールがあります。
ですので、最初から離婚裁判を起こすことは原則できません。
離婚裁判は、協議離婚や調停離婚のように夫婦の合意は必要なく、裁判官の離婚判決を得られれば離婚は成立。
そして、養育費や財産分与の相場的な額の支払いをモラハラ夫に命じます。
また夫のモラハラによって、妻が精神的苦痛を受けたと認められれば、慰謝料の支払いも命じてくれます。
「モラハラ夫のせいでずっと苦しい思いをさせられたのだから、多くの慰謝料を払ってもらわないと気が済まない!」
このように感じるのも当然です。
しかし、モラハラの慰謝料は不貞行為や身体的DVより低めです。
平成24年4月から平成25年12月まで東京家庭裁判所の判決の統計を見ると、モラハラの慰謝料の平均額は「93万円」となっています。
離婚訴訟における離婚慰謝料の動向より(著者:神野 泰一)
私はこれを見たときは率直に少ないと感じました。
言ってしまえば、慰謝料の額を決めるのは裁判官の主観なので、裁判官のモラハラ被害者の苦しみの理解が不十分なのかな?と個人的には思ってしまいます。
裁判官に離婚判決を出してもらうには、次の法律上の離婚理由のいずれかに当てはまる必要があります。
モラハラは基本的に「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当します。
夫のモラハラを「婚姻を継続し難い重大な事由」に認めてもらうには、夫にどれだけひどいモラハラを受けてきたかの証拠を出して立証する必要があります。
モラハラを証明する主な証拠は次のようなものが考えられます。
■ 夫からのモラハラを受けたことが原因でうつ病などを患い、治療のため病院に行った際の医師の診断書や通院記録。
■ 第三者からの証言。
■ 夫からのモラハラを受けた日時、場所、具体的な内容などを書いた日記
これらの証拠は離婚裁判をする予定がなくても、日頃から些細なものでも全て取っておいて準備しておくべきです。
どの段階においても証拠が多いほうが、有利に進める可能性が高まることは違いありません。
証拠の1つである日記について補足しておきます。
調停の場にしろ裁判の場にしろ、モラハラ夫の精神的暴力を裏付ける具体的なエピソードを分かり易く丁寧に伝えることが重要です。
ですので、日記をつける際は次の要素を押さえた内容にしなければなりません。
このことを押さえた日記を書くことで、モラハラ夫の有責性を第三者に理解されやすくなります。
裁判が開始されてから判決が出るまでの期間は、早くても1年、審理が長引いた場合は2年以上になることもあります。
必然的に長期戦になることを覚悟しなければなりません。
裁判所にかかる費用ですが、訴訟費用自体は数万円程度です。
しかし、調停と違い裁判は高度な法律知識と実務能力が必要ですので、自分で遂行するのは難しく弁護士に依頼する必要があります。
離婚裁判の案件ともなると弁護士にかかる費用は、100万円以上となることも珍しくありません。
以上のことを押さえた上で、モラハラ夫との離婚活動計画を立てる必要があります。
今回はモラハラ夫と離婚する方法について主に取り上げました。
離婚協議で離婚を目指すなら、夫の理不尽な対応に応戦せず、誠実かつ冷静な対応が求められます。
また最終的に離婚裁判となれば、何よりも証拠が大切になります。
ですので夫からモラハラを受けた際は、詳細を載せた日記などの証拠を常日頃から取っておくことです
今回お伝えした内容が、モラハラで苦しんでいる方のの問題解決のきっかけにとなり、平穏な生活が取り戻すことに繋がれば幸いです。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
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