離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
離婚するに際し、慰謝料をいくらもらえるのだろう?と疑問を持つ方は非常に多いです。
慰謝料をいくらもらえるかで、離婚後の生活の余裕が大きく変わってくる為、当然の心理かといえるでしょう。
ということで今回は「離婚の慰謝料はいくらもらえるか?」をテーマに取り上げます。
離婚後の生活を考える上で、慰謝料をいくら受け取れるかを知っておくことは非常に大事です。
自分の想像とかけ離れる場合は、離婚後の生活に支障をきたす恐れがあるからです。
離婚後の生活設計を立てる上で、相手から受け取る慰謝料をかなりアテにしている方は、ぜひ確認ください。
未だに「離婚する際は男性が女性に慰謝料を支払う」と勘違いしている女性が稀にいますが違います。
同様の勘違いがもう一つあります。
それは「離婚すれば男性だろうが女性だろうが、必ず慰謝料がもらえる」ということです。
つまり「離婚=慰謝料」という図式ですが、これがどの夫婦のケースでも、常に当てはまるわけではありません。
慰謝料というのは、相手の有責な行為により、被害者が被った肉体的・精神的苦痛を慰謝させる為に支払われる金銭をいいます。
ですので、夫(妻)が有責な行為が原因で夫婦関係が破綻し、離婚となった場合は、有責な行為をした夫(妻)から慰謝料を取れるのです。
慰謝料は有責な行為が対象なので、離婚原因で一番多い「性格の不一致」では、どちらが良いか悪いかは言い切れないので、慰謝料は原則発生しません。
男女ともにある勘違いですが、慰謝料の額に大きな期待を持っていることです。
これは著名人が離婚する際、テレビなどが離婚の慰謝料についてよく取り上げている為だと思います。
よく「~夫婦の離婚の慰謝料は1億円ぐらい」なんて報道されていますね。
ハリウッドスターとなると「〇〇億」みたいにとんでもない金額となることもあります。
これを見て「一千万単位の慰謝料は無理でも、800万円くらいはもらえるかも」等と思われるのでしょうが、この額は困難です。
800万円の慰謝料は、この後お伝えする相場より、かなり高額でありレアなケースです。
著名人の離婚の慰謝料額と同じようにはいきません。
先ほど少し触れましたが、離婚の慰謝料を相手配偶者に請求できる要件をお伝えします。
慰謝料は相手配偶者に「有責な行為」があれば請求できますが、その有責な行為の主なものは次の通りです。
不貞行為とは、配偶者以外の異性と肉体関係(性交渉)を持つことです。
肉体関係が無ければ不貞行為とはならず、原則慰謝料を請求することはできません。
これらの行為を相手配偶者がしても不貞行為にはなりません。
DVは主に次の2つに分かれます。
夫婦と言えども、身体的暴力は絶対に否定されるべき行為ですので、慰謝料を請求できるのは当然です。
また近年増加傾向が続いているのが、言葉により配偶者を精神的に追い詰める暴力、つまりモラハラです。
モラハラも程度によっては、慰謝料を請求する事が可能となります。
※DVと離婚についての詳細は「暴力夫と離婚を成立させ苦痛の日々から解放する為の全手順」をご覧ください。
悪意の遺棄とは、配偶者が夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務を果たさないことです。
具体的には次の様な行為を言います
これらの行為がある場合は、慰謝料の請求が可能です。
婚姻生活においては性交渉も重要な営みです。
病気、老齢、配偶者との性交渉を重視しない合意など、特段の事情が無い限り、性交渉を拒否し続ける場合は慰謝料を請求できます。
※性交渉の拒否と離婚に関する詳細は「セックスレスで離婚や慰謝料は請求できる?親権は?を詳しく解説」をご覧ください。
ここからは実際に離婚の慰謝料をいくらもらえるか、つまり相場についてお伝えしていきます。
ここでお伝えする相場とは、あくまで過去の判例などを基にしています。
つまり裁判上での相場であることを考慮してください。
数々の判例を見ると、次の金額帯であることが多いように感じます。
「200万円~300万円」
先ほどお伝えした著名人の慰謝料額と比べると、かなり低額な印象を持たれるかと思います。
次にケース別の相場についてお伝えします。
不貞行為のみを理由とした場合、慰謝料の相場は
「200万円前後」が多いです。
慰謝料300万円を認めたものもありますが、不貞行為に加えて他の有責行為(DV等)もあった場合がほとんどです。
不貞行為のみを理由で300万円を認めたものは少ないです。
なお一回きりの不貞行為だと、慰謝料はもっと低額になります。
※不貞行為と慰謝料の詳細は「不貞行為の離婚慰謝料をより多く確実に受取りたい方へアドバイス」をご覧ください。
DVの慰謝料はDVの回数や期間、ケガや障害の程度などで金額に開きが出ます。
相場には「50万~300万円」です
慰謝料300万円が認められた判例としては、夫が妻の首を絞めて、離婚届を書くように脅迫をした(婚姻期間30年以上)ケースがあります。
悪意の遺棄は同居義務違反と協力・扶助義務違反の2つを考慮されて決定されます。
相場は「50万円~300万円」です。
性交渉の拒否も程度の問題があるので、事情によっては金額に幅が出てきますが、
相場は「100万円」です。
高額な慰謝料が認められた判例を紹介します。
平成元年11月22日東京高裁昭和62(ネ)2794号離婚請求控訴事件より。
この夫婦は婚姻期間48年ですが子供はいません。
夫はいくつかの会社を経営。
夫は妻以外の女性と交際し、その女性とは36年間一緒に暮らし、子供を2人もうけて認知しています。
このケースで「1,500万円」という慰謝料でした。
この判例を見て、夫の経済力は高いのに、この仕打ちの慰謝料としては少ないのでは?もっと多くもらってもいいのでは?
この様に感じる方もいるかもしれませんが、裁判ではそれを望むのは厳しいことが分かる事例ですね。
高額な慰謝料を受け取れる可能性があるのは「協議離婚」の場合です。
先ほど著名人の慰謝料額も判決ではなく、二人が合意の上での金額です。
仮に裁判上で決着をつけたのであれば、1億円といった高額な慰謝料はありえないでしょう。
つまり、慰謝料を払う側が請求側の金額を了承するのであれば、裁判上の相場というは関係がないということです。
実際に、慰謝料が支払う側の年収が400万円程度のサラリーマンであっても、慰謝料2000万円を払うという事例もあります。
経済力が一般的な方でも、こんな取り決めをしている方もいるのです。
この事例ではお金で離婚を買うパターンです。
夫が妻に離婚を強く求めるが妻は拒否し、話し合いがストップ、妻から高額な慰謝料を提示される、それを受け入れるという流れです。
しかし年収400万円しかないのに、慰謝料2000万円を分割とはいえ払い続けるのは困難です。
よって、いずれ支払いが滞る可能性が非常に高いでしょう。
いくら高額の慰謝料を取り決めても、相手の経済力とはかけ離れた額では、ない袖は振れない為、全額を受け取れる可能性は非常に低いです。
少し話がそれましたが、要は相場以上の慰謝料をより多く受け取れる可能性があるのは、夫婦が協議の上で慰謝料を決めることです。
今回は「離婚の慰謝料はいくらもらえるか?」をテーマに取り上げました。
参考になれば幸いです。
離婚の慰謝料の大まかな裁判上の相場は「200万円~300万円」です。
この額よりも多く受け取りたいと考えているのなら、夫婦の協議で取り決めることです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
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