離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
こんにちは、まいみらいです。
ある日、妻から「離婚したい」との申し出があった。
突如勃発した妻からの離婚請求で、頭の中はグチャクチャ。
確かに最近の夫婦仲は良好ではなかったが、離婚は一切考えていなかった。
幼い2人の子供のこともあるし、自分は妻とは離婚したくない。
でも全く予期せぬことに加えて、仕事も凄く忙しく、どうしていいか分からない・・・
頑なに離婚を言い張る妻の心を取り戻すことは出来ないのか・・・あきらめるしかないのか・・・
この様に妻から突然離婚請求された方の多くは、強く困惑されていることだと思います。
ということで、今回は妻からの離婚請求に対しての回避方法や、関係修復の方法などを主に取り上げます。
目次
妻から「離婚したい」と申し出がされても、それは何時も夫に対して「絶対的NO」を突き付けているとは限りません。
実は、妻の離婚の本気度は次のように5つの段階に分かれます。
この様に離婚の本気度には段階があり、全てが離婚への強い決意をしている訳ではないです。
換言すれば、夫の対応によっては離婚回避や、再び仲の良い夫婦に戻れる可能性も十分にあります。
ちなみにこの記事の筆者である私は、夫との離婚を決意したときの本気度は5でした。
夫が浮気を素直に認めて謝罪してくれたなら、私は許そうと思っていましたが、そうならずに離婚ととなりました。
この様に自身の過ちを認めるだけでも、離婚を回避できるケースもあります。
妻の離婚の本気度の段階が1や2の場合、夫に「離婚は仕方がない」と思わす為、妻は暴言やひどく傷つくことを迷わず言ってきます。
例えば「あなたと今後も一緒の人生なんて死んでいると同じようなもの」とか
「あなたを男として全く見られない」などです。
この様なことを言われると、頭に来るでしょうが、ここで暴力や暴言で返すことは厳禁です。
妻の離婚したい気持ちは更に高まりますし、この事をきっかけにDV防止法に基づく「保護命令」の申し立てをすることも考えられます。
また妻からの暴言等を言われ続けると、精神的に本当に参ってきます。
ですが、ここで「もう駄目だ」諦めたら、夫婦の修復は100%不可能になります。
結果、離婚に行き着くことだけは確実です。
妻と離婚したくないなら、どんなにひどい言葉にも、耐え忍ぶ揺るぎない強い心を持たなければなりません。
そして夫婦間を修復させる行動を諦めずに取り続けるしかないのです。
まずは当然のことですが、離婚届に署名や捺印は一切してはいけません。
そして、こちらが断固として「妻と離婚したくない」と拒否し続けても、妻が強行をする恐れがあります。
強行とは、離婚届の夫の欄を妻が勝手に記入し、一方的に役所に出してしまうことです。
仮に役所が、この様な離婚届を受理してしまった場合、非常に面倒なことが発生します。
受理されれば戸籍に離婚事実が記載され、法律上の夫婦でなくなってしまいます。
妻が夫に無断で提出した離婚届は無効ですが、その無効にする手続きは簡単とはいかないのです。
それには裁判所の手続きが必要で、数多くの手間や時間や多額の費用を要してしまうのです。
妻にこの様な強行をされない為に、予め防止策をしておきましょう。
防止策というのは、役所へ離婚届の「不受理申出」を提出することです。
離婚届の不受理申出とは、大まかに言えば、
「役所は離婚届を受理しないでください」といったお願いの書類です。
この届出をしておけば、妻が夫に無断で離婚届を提出しても、役所は受理することはありません。
不受理申出の書類を提出するのに、特別な理由は不要です。
※離婚届の不受理申出の詳細は「もし離婚届を勝手に出されそうなら、不受理申出で対策してください」で取り上げています。
妻の離婚の本気度が非常に高い場合において
こちらが離婚を拒否し通すと、やがて妻はこんなことを言ってくる可能性が高いです。
「あなたがどれだけ離婚を突っぱねようとも、裁判にすれば離婚できるから、もう諦めて」
通常、多くの方は法律なんて分からないので、この様なことを言われると心配になるかと思います。
そこで裁判所が離婚判決を出す為の要件を確認しておきましょう。
妻の離婚請求が裁判官に認められる為には、次の様な原因のどれかが必要です。
この5つ原因を「法定離婚事由」と言います。
それでは簡単に各原因について説明していきます。
「不貞行為」とは、配偶者が別の異性と性的関係を持つことです。
プラトニックな関係は不貞行為とはなりません。
「悪意の遺棄」とは、夫婦関係が破綻することを知っていながら、夫婦の協力義務を怠ることです。
「3年以上の生死不明」とは、相手の生存が最後に確認できた日より、3年以上を経過しても生存が確認できない状況をいいます。
「回復の見込みの無い強度の精神病」とは、夫婦生活上においてそれぞれの役割を十分に果たせない程の、精神病を患っている場合を言います。
「婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、次の様な状況に当てはまることです。
夫がこれら5つの原因のいずれか一つでも当てはまれば、離婚判決が出る可能性があります。
離婚判決が出れば、夫が「絶対に何があっても妻と離婚したくない!」と拒否しても強制的に離婚となるのです。
ただし、法定離婚事由に該当する事実が認められても、
裁判所は「一切の事情を考慮し婚姻を継続させた方が相当である」と判断した時は、離婚の判決を下さないこともあります。
たとえば、夫の不貞行為は確かにあったが、「もう二度と不倫をしないと夫が心から反省している」と裁判所が判断した場合です。
つまり、一度だけの不倫や暴力などはあったが、夫がその過ちを心から反省しているなら、離婚判決は出さない可能性も十分あります。
このことを考慮すると、裁判所が離婚判決を出すことは限定的であることが分かります。
だからといって、離婚したがっている妻に対して「僕のケースでは裁判所は離婚を認めない」と反論するのはNG。
妻の反発を買うだけです。
自身が離婚事由に該当しないことが分かれば、あとはその事を妻に伝える必要はありません。
対処法などは後でお伝えします。
なお法定離婚事由についての詳細は「あなたの離婚したい理由は裁判でも通用し、慰謝料もとれますか?」で取り上げています。
次に妻に離婚請求された時、夫がやってしまいがちな誤った対応について取り上げます。
主には次の3つの行動です。
それでは個別にお伝えします。
妻が夫に離婚を求めた時、次の様な押し問答が展開されることが多くあります。
「私は何を言われようとも無理、離婚したい」
「俺は離婚したくない、悪いところは改めるから別れない」
そこで妻は、このままでは埒が明かないと思いから、
「お互い冷静になる為に、一度距離を置こう」と別居の提案をしてくることがよくあります。
提案をされた夫は、「一度離れてみれば、妻は離婚を考え直してくれるかも?」と思い、別居を受け入れがちです。
でも別居をしてしまえば、結果的に離婚する可能性が極めて高くなります。
なぜなら別居することで、夫婦間を修復する為に欠かせない話し合いをする機会が、めっきり減るからです。
実際、別居した夫婦の多くはそのまま離婚に至っています。
妻と離婚したくないなら、別居は絶対に止めましょう。
調停と聞けば、離婚を進める為のものだと思われがちですが、離婚回避や夫婦関係修復を目的とした「円満調停」というのもあります。
円満調停とは、調停委員という中立的第三者を挟んで、夫婦関係の修復に向けて話し合いを行うものです。
中立的第三者である調停委員を挟むことで、双方が感情的にならずに、冷静に離婚を回避する為に何が必要なのか等を話し合えます。
その結果、離婚を回避できた事例はあります。
この制度を知った方の中には、今すぐに円満調停を利用したいと考えたかもしれません。
しかし、自分で夫婦関係の修復を試みることなく、いきなり円満調停を申し立てることはNG。
なぜなら、円満調停を申し立てたけど、調停不成立となった場合は「修復不可能」という雰囲気がかなり強まるからです。
まずは夫婦でとことん話し合いをすることです。
調停委員を通して伝えるより直接自分の言葉で伝える方が、こちらの真摯な思いが妻に伝わります。
ろくに話合いをせずに、いきなり円満調停を起こしても逆効果となるでしょう。
妻と離婚したくないと思うなら、弁護士を通してはいけません。
弁護士は夫婦関係を修復させる能力は、基本的に持ち合わせていませんので出番はありません。
弁護士は有利な離婚を勝ち取る為に立てるのが一般的で、逆に相手を攻撃してくるイメージがあります。
ですので弁護士を通して離婚を拒否しても、妻の印象を悪くさせるだけでマイナスとなる可能性は高いです。
妻に離婚したい気持ちを変えさせることや、夫婦関係を修復させることは、法律の力では何も出来ません。
これらのことは、夫が妻と真摯に向き合って話し合い等を重ねて、妻の考えを変える他ありません。
その為には夫自身が変わることが絶対に必要です。
それを実現するには、第一に妻の苦しみをしっかりと把握することがが、解決への第一歩となります。
妻は何も、離婚を考えてすぐに離婚を求めている訳ではないのです。
大方は、長いこと悩みに悩みぬいて「離婚」を言っているのです。
この妻の辛い心情を理解する前に、修復へ向け動き始めても妻の心には響きません。
「私は妻の苦しみが分かったし、しっかりと謝罪した」と仰る方がいるのですが、実際に心から謝罪しているかは懐疑的です。
表向きは謝罪しているけど、本当は悪いと思っていないし、妻の苦しみも分からないから、何も改善できずにいる。
だから同じことを繰り返す。
そしてとうとう妻の我慢が超え、離婚への決心が固まるケースは多くあります。
その妻の頑なな態度を何とかしようとして、「君は離婚を求めているが、僕たちのケースでは裁判所は離婚を認めない」
などと法律論を振りかざしても、嫌悪感をさらに強く持たれるので、ますます妻の心は遠く離れてしまうのです。
繰り返しになりますが、離婚回避や夫婦修復の出発点として、妻の悩みや苦しみをしっかり把握することからまずは始めることです。
そして妻の悩み、苦しみとなっている部分を改善させ、問題ある自分を変える事ができれば、離婚回避及び関係修復は十分可能です。
妻の離婚を求めている理由が、夫の不倫や暴力、借金など、明らかに夫に責任がある場合についてです。
この様な場合、もう二度と同じ過ちをしないことを妻に分かってもらえなければ、離婚を撤回してくれる可能性はないでしょう。
口約束では妻は到底信用しないので、なるべくこちらの本気度を示すことが必要です。
その方法として適切なのは「誓約書」を妻に差し出すことです。
誓約書とは契約書の一種で、夫婦間において、一方から他方に差し入れるといった形で約束を書面にしたものです。
たとえば、夫が不倫をしてしまったなら、夫が妻に対して「今後は不倫行為を二度しません」
などの内容で書面を作成し、妻に渡します。
不倫をしないという約束だけではなく、次の様なことも一緒に誓約することが一般的です。
「約束を破った時は慰謝料○○○万円を支払う」
この様に約束を破ったときの罰則等も入れ、書面にしっかり残すことで、妻は夫の覚悟を知り、離婚を撤回することもあります。
誓約書には、下に挙げる内容を載せるのが一般的です。
事実関係とは、不倫や暴力などトラブルの原因となった事実関係を載せます。
禁止する行為とは、暴力の場合は「今後一切暴力を振るいません」などになります。
約束を破った場合の罰則は必ず入れるべきです。
妻に夫が誓う約束を信じてもらう為には必須です。
不倫行為をしたなら「再度不倫した場合は慰謝料○○○万円支払う」などとします。
今回は妻と離婚したくない夫が、離婚回避や夫婦関係を修復する為に何をすべきかを取り上げました。
法律で離婚を阻止することは可能ですが、妻の離婚意思を変えることや、夫婦関係を修復させることは出来ません。
この危機を乗り超える為には、まずは妻の悩みや苦しみをしっかり把握することです。
そうすることで自分がどう変わればいいかが分かり、夫婦間の修復に向けての行動が起こせるようになります。
また離婚請求されることに夫に明らかに原因がある場合は、誓約書を妻に差し出し、二度と同じ過ちをしないことを固く誓うことです。
それでは最後までご覧頂きありがとうございました。
まいみらいがお伝えしました。(私の離婚経緯などを載せたプロフィールはこちら)
いつも夫婦喧嘩をする位に悪くなった夫婦関係を変えるには、相手次第だと思いがちですが、実際はそうではありません。
あなた自身の行動次第で夫や妻の考えを変えることができます。
そのことについて詳しく取り上げています。
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