離婚を専門に扱う某法務事務所に勤める1児のシングルマザーが、離婚に関する役立つ知識を発信します。
仕事が終わり、帰宅したら妻が子供を連れて家を出て行ってしまっていた…。
✓ 妻とは離婚したくない! だけど何をすればいいか分からない。
✓ 妻が出て行った理由がまったく分からない。
✓ 電話やLINEをしてもずっと無視されている。
妻に出て行かれたが絶対に離婚したくないし、やり直したい! ならば、あなたは今すぐ適切な行動をしなければなりません。そのまま放っていたり、間違った対処をすれば、高い確率で離婚の結末を迎えるでしょう。
自分の考えだけで動くと、絶対にしてはいけない行動ばかりをとり、離婚を確定させる可能性が高いです。再び妻や子供と一緒に暮らしたいのなら絶対に押さえるべき内容となります。
あなたは妻が出て行った理由を見つける必要があります。妻の気持ちが分からないままでは、妻や子供は二度とあなたの元へは戻ってこないからです。
妻に不倫がバレた、大喧嘩した、妻に暴力を振るったなど、明らかな原因がある場合は、妻がすぐに戻ってくる可能性があります。感情的になり、家を飛びだすことがあるからです。怒りのボルテージが下がれば妻は家に戻ります。
数日たって戻ってこないなら、妻は本気です。夫の不倫や暴力など以外にも原因がある可能性が高いといえます。夫に対するさまざまな不満が積み重なったからこそ、出ていったきりになっているのです。
自分には不倫や暴力などの問題行為はないし、家族のために懸命に働いてきたから、なぜ妻が出て行ったか分からない…。こう思っているかもしれません。
しかし必ず原因はあります。原因は次のこと他なりません。
あなたと妻との間に十分なコミュニケーションがなかったこと。
例えば、夫は仕事を優先しお金を稼いできて、家族に不自由な暮らしをさせないことが最も大事だと考えている。一方、妻は夫や家族との時間を大切にしたいと考えている。この差が問題となります。
妻とのコミュニケーションをしっかり取れていれば、この差を埋められていた可能性があったでしょう。
あなたは、「いや俺は、妻とのコミュニケーションをしっかり取ってきた!」と思っているかもしれません。はたしてそうでしょうか?コミュニケーションを取っているつもりでも、実際は妻に対して次のような接し方をしてませんか?
コミュニケーションを取っているつもりでも、自分本位で一方的な態度を取っている可能性は十分あります。なぜなら妻のことを心のどこかで次のように思っているからです。
コミュニケーションがきちんと取れていれば、妻は出て行かなかったはずです。
今、妻との離婚危機に陥っているのはすべて自分のせいだと考えましょう。他責思考だと妻との関係修復はできません。
他に好きな男性ができるなど、妻に非があって出て行った場合でも、戻ってきてほしいなら、自分に原因があると考えましょう。
しっかりコミュニケーションが取れていれば、妻が不倫に走ることはなかったからです。あなたのこれまでの言動が、ずっと妻を苦しめてきたからこその結果といえます。
出て行った妻との離婚を回避するうえで、絶対にやってはいけないことを取り上げます。次の3つの行為です。
それでは個別に内容を取り上げます。
妻の実家などの別居先に出向き、妻を連れ戻そうとしてはいけません。会おうとすること自体がNGと言えます。
電話やLINEなどでしつこく連絡し続けてはいけません。そもそも妻はあなたと話したくないし、しばらくは距離を置きたいと思っています。
そんなときに、何度もあなたからの電話やLINEが入ってくれば、妻は強い不快感をもち、態度をますます頑なにします。ストーカー行為として警察に相談されてしまう恐れも。
直接的な電話は控えて、LINEで妻の様子を探るくらいにしておきましょう。
妻との離婚回避の対処を弁護士に任せてはいけません。基本的に弁護士は夫婦関係の修復は専門外だからです。もし依頼すれば、次のような無機質で何の意味もない通知が妻に届く可能性が高いです。
「特段の事由がない一方的な別居は、民法752条の夫婦の同居義務違反にあたるため、貴殿は夫婦の住まいに戻る必要がある」
これを見た妻の心が動くことはありません。
妻との離婚回避に弁護士は一切不要です。
あなたが妻との離婚危機を回避し、関係修復を望むのであれば、次のことをすぐに行動に移しましょう。
それでは個別に内容をお伝えします。
人を変えたいのであれば、まずは自分から変わらなければいけません。人間関係においての鉄則です。
自分は変わることなく妻の心変わりを期待するのは、都合が良すぎます。当然ながら、夫婦関係の修復は難しいと言わざるを得ません。
「妻が勝手に出て行ったから、俺から戻ってほしいとは言えない」、と謎のプライドを持つ方がいます。そんな姿勢だと妻や子供をあなたの元へは戻ることは二度とありません。
妻との関係を修復するには、妻があなたの何が不満だったのかを把握する必要があります。不満なところが分からなければ改善しようがないからです。
妻に対して、これから自分はどうしていくのかを具体的に伝えないと、何も響きません。
このように伝えることで、妻は夫が変わろうとしていると感じ、離婚を思い留まることにつながります。
何が不満だったかを知るには、あなたの妻に対する言動を深く振り返る必要があります。たとえば、妻とケンカしたときのことや、妻が不機嫌になったときのあなたの言動を思い返しましょう。
あなたの妻に対する言動を思い返すさいは、些細なことでもすべて紙に書きだすことです。
目に見えることで、妻があなたの何が不満だったのかを把握しやすくなります。
妻との態度を軟化させるための方法として、手書きの手紙は非常に有効です。お伝えした通り、基本的に妻はあなたと会いたくないし、顔も見たくありません。そんな妻に電話をしても恐らくでてもらえないでしょう。
仮に妻がでたとしても、お互いに感情的になっているので、あなたの気持ちが正しく伝わりません。
でも手紙なら感情的にならずに、あなたは妻に気持ちを伝えられるし、妻も冷静に受けとります。
LINEやメールは無機質だし、すぐに消去される恐れがあるところ、手書きの手紙は特別感があるので、妻が見てくれる可能性が大です。
もちろん手紙の内容は重要です。内容が不適切だと逆に妻の離婚の意思が固くなります。不適切な内容を書かないためにも、あなたの妻に対する言動を振り返る工程が重要になるのです。
手紙は送る最大の目的は、妻にあなたと話し合いのチャンスを作ってもらうことにあります。
妻に対する過去の言動の振り返りが十分できていれば、妻のあなたに対する不満点が分かるはずです。その不満点を改めることを書面で誓いましょう。
あなたが不倫していた、妻に暴力を振るった、といった有責行為があるなら、誓約書は絶対に必要です。
誓約書に載せることは次の通りです。
「事実関係」とは、不倫や暴力などトラブルの原因となったこと。「約束を破った場合の罰則」とは、「再び不倫をした場合は慰謝料を〇〇〇万円支払います」といった内容です。
罰則は誓約を妻に信じてもらうためにも必要です。
妻や子供に戻ってきてほしいなら、生活費(婚姻費用)をしっかり渡すことです。
当然のことですが、別居中の生活費をしっかり渡すことで、あなたが妻と子供を大切にしていることが妻に伝わります。
別居中の妻や子供の生活費を払うことは法律上でも義務です。もし、妻や子供が困窮しているのに生活費を払わないでいると、「悪意の遺棄」という法定離婚事由に当てはまる恐れもあります。
妻の両親に対して謝罪しましょう。あなたのせいで大事な娘が深く傷つけられたと怒っているからです。
もし、あなたが義両親に何ら対処せずにいると、「もう、あんな男とは別れて帰ってきなさい」と離婚をすすめます。両親に後押しされたことで、妻が離婚を決断する例は多くあります。
妻との離婚を回避したいのなら、すぐに義両親に対して謝罪し、今後は妻を大事にし、悲しませないと誓うことです。義両親に会ってもらえないのなら、手紙で伝えましょう。
あなたの両親からも、妻の両親に謝罪してもらってください。そうすることで、義両親の怒りがより収まりやすくなります。
あなたが本当に反省している姿を見てもらうことで、義両親から妻に対し、あなたと話し合うように説得してもらえやすくなります。
あなたの住まいを管轄する役所で「離婚届不受理申出」を行いましょう。出て行った妻が、あなたに無断で離婚届を出す恐れもゼロではないからです。
※ 離婚届不受理申出の詳細は「『離婚届不受理申出』で相手の一方的な離婚届の提出を阻止!」で取り上げています。
適切な対処をしていれば、妻と話し合いができるチャンスがきます。妻との話し合いは、どんな姿勢で聞き、何を話すべきかが重要です。ここを間違えると、妻との修復は困難になります。
妻との話し合いのポイントは次の6つです
それでは個別に内容をお伝えします。
妻との話し合いの最初は、頭を下げながら心からの謝罪を一度だけしましょう。あなたの言動で妻は苦しみ続けたのだから当然です。謝罪の言葉はもちろん具体的にしなければなりません。
謝罪を何度もするのはNG。一回の謝罪の重さがなくなるからです。
何度もしていると妻に「謝ればいいと思ってるでしょ?」「うわべだけ反省している」と思われます。
妻を否定する言葉は一切いりません。
話を聴いているうちに、否定や反論、説得したくなる衝動にかられます。
あなたの経験や価値観から「それは違う」などと思い、妻の話が終わらないうちに、自分の考えを押しつけてしまう。妻は変わらないあなたに見切りをつけるでしょう。
妻との話し合いで最重要なのは、妻の言葉を傾聴することです。傾聴とは、耳・目・心を傾けて真摯な姿勢で相手の話を聴くことです。
傾聴する目的は、妻の気持ちを深く理解するためです。妻の気持ちを理解せずに修復はできません。気持ちが分からなければ、妻の心に寄りそえません。
あなたはこれまで妻の声をしっかりと聴いていなかったからこそ、窮地に立たされているのです。せっかく妻に与えてくれた話し合いの場。妻の声に耳をすまし、彼女の心の痛みに寄り添いましょう。
妻の話すことに共感をもって聴きましょう。妻のあなたに対する怒りや不信感などの気持ちを受けとめるためです。
なぜ妻は出て行ったのか? その理由やいきさつなどを肯定的な関心をもつことが必要。あなたの意見や評価はいりません。
あなたは「冗談じゃない。離婚には同意できない!」と思うでしょう。確かに、離婚には同意はできませんが、理解や共感はできるはずです。
「こんな僕と離婚したくなる気持ちはよく分かります。あなたの立場に立ったら同じ気持ちになると思う。僕は最低な夫です」
この姿勢で妻の言葉に耳をすませば、彼女のあなたに対する負の感情も少しずつ浄化されるでしょう。
妻の言ったとおりに言い返す「オウム返し」をしましょう。自分が話すことは常に相手に認めてほしい、と誰しもが思うからです。
ただし、妻の言うことを一字一句くり返してはいけません。バカにされている気分になり、不快になるからです。次のように言葉を「選別しながら、ときには妻の気持ちを要約などして言い返しましょう。
↓
あなた:そうだと思う。俺のせいで本当に辛かったね。
↓
妻:胸がいつも張り裂けそうだった!
↓
あなた:胸が痛かったのね。苦しかったね。
↓
妻:不倫は私に対する最大の裏切りよ
↓
あなた:その通り。不倫をした俺はどうしようもない裏切者だよ。
妻の言ったとおりに言い返すことで、妻は次のことを感じます。
妻に「夫に話をしっかり聴いてもらえている」という安心感などをもってもらうことで、妻の緊張感や心の痛みが和らぎます。
妻とやり直したい、家に戻ってきてほしい、という素直な気持ちになることは大事です。しかし、それをそのまま伝えるのは避けた方がいいでしょう。なぜなら次のような展開になる恐れがあるからです。
↓
妻:無理。もうキツイ。
↓
あなた:なぜ、やり直せないんだ? こんなに反省しているのに!
↓
妻:あなたのそういうところが嫌なの!
妻との距離を詰めることに焦ってはいけません。慎重に関係修復の段階を踏むべきです。ですので、次のようなことを伝えましょう。
僕にもう一度、君にふさわしい夫になるチャンスはあるかな?
いきなり復縁を望むより、徐々に段階を踏んだほうが妻もあなたを受け入れやすいです。まずはチャンスをもらい、あなたが本当に変わった姿を見せることで、妻はあなたを受け入れるでしょう。
ここまでお伝えしたことをすべて行ってきたが、それでも妻との関係を修復できない場合があります。この状態だと修復できる可能性は低いと言わざるを得ません。
ただし、まったく可能性はないわけではありません。「円満調停」を行うことで、修復できる余地はあります。
流れを簡単にお伝えすると、最初に調停委員が、夫婦関係が悪化した原因などを夫、妻の両方から聞きとります。そして悪化の原因を解消するにはどうすれば良いのかを、調停委員のアドバイスも踏まえて、夫婦で模索します。
調停委員が、夫の妻との関係修復にかける熱意などをくみ取れば、妻に夫婦関係修復を試みるように説得する場合もあります。
妻は、第三者である調停委員から夫婦修復を勧められることで、応じることがあります。
あくまで円満調停を申し立てる段階となるのが、妻との関係修復を何度も試みてきたが妻の態度が変わらない場合です。それなしに最初から円満調停を申し立てても、逆効果になる可能性が大。
なぜなら、自分で修復を試みようとしない夫に、妻は絶望するからです。
※ 円満調停の申し立て方法などの詳細は、裁判所のホームページをご覧ください。
妻に出て行かれた夫が離婚危機を回避させ、妻に戻ってもらうために別居中すべきことを取り上げました。
ここでお伝えした適切な行動をとることができれば、妻との関係修復できる可能性はあります。そのためにもっとも大事なのはあなた自身が変わることです。
自分を変えずに妻の気持ちを変えることはできません。このことを肝に銘じてください。
それでは最後まで見ていただき、ありがとうございました。
妻から離婚を求められている。または離婚危機にある。このときの対応を間違えれば、夫婦関係の修復はおろか離婚が確定してしまいます。
離婚を回避させ、妻との関係を修復するための重大なポイントを取り上げています。
スポンサーリンク
【突然妻から離婚したいと言われたら】今すぐ確認すべき重大ポイントを解説
【妻が出て行った】離婚したくない方が別居中にすべきことを徹底解説
妻からの離婚請求を回避し、夫婦関係を修復させる為の確かな方法
未払い養育費を請求して全額回収!元夫の逃げ得を防ぐ手段を解説
養育費を継続的かつ確実に払わせる方法を徹底解説!
離婚のメリットとデメリットを徹底解説!間違いのない決断を導く
離婚の適切なタイミングをCHECK!【失敗しない為の6つのポイント】
離婚の迷いをスッキリ解決!正しい決断をする為に押さえるべき掟
離婚を後悔しない!その為の適切な手順を詳しくお教えします
夫婦喧嘩で離婚を考えたなら、後悔しない決断をする為の絶対ルール!
コメントフォーム